寒冷高気圧、温暖高気圧とは?そのでき方と別名の由来を超わかりやすく簡単に解説!【気象予報士試験対策】

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『図解 気象学入門』を使って気象予報士試験対策をしています。

今日は寒冷高気圧と温暖高気圧について学びました。自分なりの理解をここにまとめておきます。

寒冷高気圧は背が低い?

寒冷高気圧とは、気柱(大気を地上からそのてっぺんまでを切り取った空気の柱)の下の方が、冷たい地表によって冷やされて発生する高気圧です。

空気は冷やされると密度が大きくなり重くなるので、高気圧となります。

冬のシベリア高気圧が寒冷高気圧に当たります。

いってみれば、気柱の足先が冷えることで発生する高気圧ですね。

寒冷高気圧では、中層以上は地表によって冷やされず、高気圧となるのは下層です。

下層で空気が外に吹き出しても、上空で補充された空気がまた下降してきて、それがまた冷たい地表に冷やされることで高気圧は維持されます。

(『図解 気象学入門』P209より)

こうした高気圧は限界の背丈が2000mほどなので、別名として背の低い高気圧と呼ばれたりします。

寒冷高気圧の生みの親は、冷たく乾燥したシベリア気団です。

気団とは、温度や湿度が一様で、水平方向に同質性の高い空気の巨大なかたまりです。

気団の水平方向の広がりは、数百km~数千kmです。

温暖高気圧は背が高い?

温暖高気圧とは、気柱に強制的に空気が送り込まれて生じる高気圧です。

亜熱帯高気圧である太平洋高気圧が温暖高気圧に当たります。

(同書P212より)

亜熱帯高気圧は、赤道低圧帯で上昇した空気が中緯度に流れ出し、それがコリオリ力によって右に曲げられ(北半球では右に曲げられる。南半球では左)、さらに高緯度へと空気が逃れられなくなったために生じる高気圧です。

以下は過去の記事からの引用です。

赤道低圧帯の上昇気流は、上空で南北の中緯度の方へ吹き出します。(以降は、北の方だけを考えます)

上空で中緯度の方へ吹き出た上昇気流は、コリオリ力によって右、すなわちに曲げられ、西風になります。

コリオリ力とは、ひと言でいえば、地球の自転によって生じる見せかけの力ですが、詳しくは過去の記事を参考にしてください。

西風になると、空気はさらに高緯度にはいけず、その中で赤道低圧帯からの上昇気流が吹き込み続けるので、空気の密度が大きくなって地上の気圧が高まります。

こうしてできる中緯度における高気圧の地帯亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)といいます。

赤道低圧帯(熱帯収束帯)とは?超わかりやすく簡単に解説!~赤道低圧帯の上昇気流はサハラ砂漠、貿易風、偏西風の生みの親?~【気象予報士試験対策】より)

この亜熱帯高気圧である太平洋高気圧は、中心で空気が下降することで断熱圧縮され、その空気は暖かく乾燥したものになります。

ただ、その空気が太平洋上を吹き渡るうちに湿り、日本へ到達する頃には湿った暖かい空気になっています。

この空気のかたまりが小笠原気団です。

温暖高気圧は、寒冷高気圧と違い上層まで気圧が高いので、背の高い高気圧と呼ばれます。