赤道低圧帯(熱帯収束帯)とは?超わかりやすく簡単に解説!~赤道低圧帯の上昇気流はサハラ砂漠、貿易風、偏西風の生みの親?~【気象予報士試験対策】

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気象予報士試験対策として、『図解 気象学入門』を読み進めています。

今日は、赤道低圧帯(熱帯収束帯)や亜熱帯高圧帯について学んだので、自分なりの理解をここにまとめておきます。

赤道低圧帯とは、赤道付近の気圧の低い地帯のことです。

赤道付近は日射量が多く、空気が温められることで、上空は高気圧、地上は低気圧となっています。(このメカニズムについて詳しくは過去の記事を参考にしてください)

そこに南北から風が吹き込み、上昇気流が発生して積乱雲が多く生じます。

以下は雲のでき方の簡単なおさらいです。

空気は上昇すると気圧の低下によって膨張します。その膨張のためにエネルギーが消費された結果、温度が低下します。空気は、その温度が低いほど含むことのできる水蒸気量が減るので、含みきれなくなった水蒸気が水滴、すなわち雲の粒となります。こうして雲は形成されていきます。

赤道低圧帯にできた雲の画像が以下です。画像の中ほどに、白い帯状の雲があるのが確認できます。あたかも地球のベルトのようですが、これは熱帯収束帯と呼ばれます。

IntertropicalConvergenceZone-EO.jpg

熱帯収束帯 - Wikipediaより)

赤道低圧帯の上昇気流は、上空で南北の中緯度の方へ吹き出します。(以降は、北の方だけを考えます)

上空で中緯度の方へ吹き出た上昇気流は、コリオリ力によって右、すなわちに曲げられ、西風になります。

コリオリ力とは、ひと言でいえば、地球の自転によって生じる見せかけの力ですが、詳しくは過去の記事を参考にしてください。

西風になると、空気はさらに高緯度にはいけず、その中で赤道低圧帯からの上昇気流が吹き込み続けるので、空気の密度が大きくなって地上の気圧が高まります。

こうしてできる中緯度における高気圧の地帯亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)といいます。

亜熱帯高圧帯|ちがくたすより)

亜熱帯高圧帯では上空から地上に下降気流が生じています。

そこで断熱圧縮が起こり、空気が熱くなり、乾燥します。

その熱く乾燥した空気が、例えばアフリカのサハラ砂漠を作り出しているのです。

さて、次に登場するのが、ほとんどの人が一度は耳にしたことがあるであろう、偏西風貿易風です。

亜熱帯高圧帯では、上空から地上に下降気流が生じていると書きました。

それが地上で南側に吹き出し、コリオリ力によって右、すなわち西に曲げられたものが、貿易風です。

同時に、地上で北側に吹き出し、同じくコリオリ力によって右、すなわちに曲げられたものが、偏西風です。

こうして見ると、サハラ砂漠や貿易風、偏西風の始まりは、赤道低圧帯で生じる上昇気流だということがわかりますね。

ではもっと原因を遡って、なぜ上昇気流が生まれたかといえば、赤道における日射量が多いからでした。

なぜ赤道の日射量が多いかというと、地球が球形であるから…そうか、ではサハラ砂漠や貿易風、偏西風のご先祖は地球が球形であること…え、じゃあなんで地球は丸いんだろう…とキリがないので、この辺にしておきましょう。