引き続き、『実践 日本人の英語』を読み進めます。
本日は、P159~174のthenやresultの使い方について説明されている部分を読みました。
その説明のついでにといった感じで、程度を表す副詞としてのsoの使い方にも触れられているのですが、個人的にそこが一番感銘を受けました。
自分も含めて、日本人の多くの英語学習者は、soをveryの感覚で多用します。
しかし、soは、very感覚で使うものではなく、基本はいわゆる「so~thatー」構文(あまりに~でー)のかたちで使うものだというのです。
だから例えば、単に「彼はとても日焼けして見える」と言いたいなら、
He looked very brown.
というふうにveryを使うべきで、
He looked so brown.
のようにsoを使うところではないのです。
ところが,「副詞のsoは「とても」という意味だ」というイメージが強いせいか,単純にveryと同じ意味の言葉として使ってしまうケースが実に多い.
私は,毎学期の1回目の授業で「程度を表す副詞のsoは文脈を問わずにveryの代わりになる言葉ではない」という点を必ず強調して注意する.ところが,日本の中学・高校で「(少なくともこれまで)用いられてきた英語教科書が,soはまるでいつでもveryの代わりになるかのような印象を与えてしまっているのが問題なのか,私の注意をずっと期末まで無視する学生が少なくない.いくら私が直しても,次に書く作文では,またveryのつもりでsoを使ったりする学生さえいる.
(マーク・ピーターセン著『実践 日本人の英語』(岩波新書)P162より)
ピーターセン氏の注意に「So?(だから?)」と言わんばかりにsoの乱用を続ける生徒もいるんですね。
でも使ってしまう気持ちはよくわかります。
veryよりもsoの方が口語的なイメージがあって、口に出したときの口当たりがいいんですよね。
あとたぶんveryは、日本人の苦手なRの発音が含まれているので、その点でもsoは親しみやすいのだと想像します。
さらにいえば、音的にvery(ベリー)に類する日本語を使う場面って「ベリーダンス習い始めたの」、「ブルーベリー大好き」、「寝そべります!」など数少ないですが、soについては非常に多いです。
「そうそうそうそう、めっちゃ多い!」とか、
「そうでもないで」とか、
「そうなーん?」とか、
「そうしましたら…」とか、
日本語でもso風の言葉はよく使います。
極端な話し、日本人同士の会話って、お互いに「そうそう」言いながらうなずいていれば永遠に成り立ちます。
そういう色々な理由で、soは日本人の口について出てきやすいのだと思います。
soの使い過ぎ防止のためには、soを「とても」ではなく、「あまりに」という意味で記憶しておくくらいが良いでしょう。
「あの店のチャーハンはあまりにうまい」、「あの子はあまりに可愛い」、「私の家は駅からあまりに近い」などと言っていると、何事につけてもすぐに感嘆する底の浅い人間に見えてきますが、soをむやみに使いすぎるとネイティブからも同じように見えるかもしれないですね。
ちなみに、『実践 日本人の英語』では、程度を表す副詞としてのsoが単独で使用される例もないわけではないことも書き添えられています。
例えばShe is so lovely!(P163)のような感嘆文や、分脈からthatが省略されていることがわかる場合です。
soという基本単語もそうとう奥が深そうですよね。