おすすめ本

日本の政治体制がわかりやすく解説された『日本の統治構造』(中公新書)を読んだ感想。大統領制より議院内閣制の方が権力集中的?

『日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ』飯尾潤著(中公新書)を読みはじめました。一度読んだことがありますが、良書なのでもう一度読み返しています。 面白い本というのは、読み手の思い込みを打ち砕いてくれるものですが、本書はまさにそんな本で…

the USAになぜtheが付くのか?~theの知られざる意味に近づく~

英語学習書の名著として知られるマーク・ピーターセンの『日本人の英語』を読んでいます。 1~20の文章に分かれているのですが、まずは1を読了しました。 1はプロローグ的なもので、ゴリゴリの英語の解説にはまだ入りませんが、それでも面白く、得るも…

『楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡』(村山吉廣著)の第2章を読んだ感想~玄宗皇帝がスケベである3つの理由~

『楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡』(村山吉廣著)の第2章を読了しました。 第2章では、楊貴妃の出生から玄宗皇帝に見初められるまでのこと書かれています。ここまでの楊貴妃に対する印象は、「普通の女の子」です。幼名は玉環(ぎょくかん)で、成人前に父母…

『楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡』(村山吉廣著)の第1章を読んだ感想~長安の人口に匹敵する今の日本の都市は?

『楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡』(村山吉廣著)の第1章を読了しました。 第1章では、玄宗皇帝が帝位についた経緯、唐王朝の都、長安の成り立ちや当時の様子が記述されています。 本書は、約250ページの、講談社学術文庫の中では比較的短めの本です。し…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の終章を読了しての感想~最後まで人生において大切なことを見失わなかった人~

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の終章を読了しました。 政敵によって海南島送りにされ、そこで一生を終える覚悟でいた蘇軾ですが、何と哲宗が25歳の若さで死去することで状況は一変します。 哲宗の腹違いの弟、端王趙佶(たんおうちょうきつ)が徽…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第6章を読んだ感想~蘇軾は中国のロビンソン・クルーソー?~

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第6章を読了しました。 前回の記事で、蘇軾が黄州での事実上の流刑生活を終えたことについて、ロビンソンクルーソーが無人島からの脱出に成功したときのように名残惜しいと感想を述べました。 ところが、今度は本当…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第5章を読んだ感想~蘇軾、何もない台所から中央政界へカムバックする~

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第5章を読了しました。 蘇軾に好感の持てる理由の一つは、彼が東坡肉(トンポーロー、豚肉の角煮)を考案したことからもわかるように、飲食に対するこだわりがあり、それが作品にも生かされているからです。飲食の…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第4章を読んだ感想~黄州で何もない台所に立つクッキングパパ蘇軾~

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第4章を読了しました。 蘇軾の黄州(現在の湖北省黄岡県)での左遷生活について記述されています。水部員外郎という肩書で、給料はほんのわずか。実態は流刑の身です。三男七女と二人の女婿という大家族なので、当…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第3章を読んだ感想~宋のお国柄に命拾いした蘇軾?~

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第3章を読了。 第3章では、蘇軾が詩や詞の創作に励んだ杭州赴任時代、太守に着任早々に発生した洪水災害を勝手に禁軍を動かす荒業で乗り切った徐州赴任時代、そして詩の中で新法党を批判したことで獄につながれた…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第2章を読んだ感想~怖いほど似てる宋と戦後日本~

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)の第2章を読了。 第2章では主に、蘇軾に関することというよりは、高校世界史でも習う新法と呼ばれる王安石による急進的な改革について記述されています。 まず章冒頭で、評論家の堺屋太一氏による宋と戦後日本の類似…

『蘇軾 その詩と人生』(海江田万里著)1章を読んだ感想~自民党のあの大物政治家も蘇軾の詩を愛読していた?~

『蘇軾 その詩と人生』という中国の北宋時代の詩人、蘇軾(そしょく)の伝記の第1章を読了しました。 蘇軾の詩が好きで、とにかく彼のことが知りたいと思い、Amazonで見つけたのが本書です。ただタイトルだけを見て購入したのですが、なんと、よく見れば著…

論語と孔子のトリセツ『孔子』by金谷治を読んでみた感想。

中国哲学専門の東洋学者、金谷治氏の『孔子』(講談社学術文庫)を読了しました。孔子の思想や生涯、彼の生きた時代背景などがまとまっています。いわば『論語』と孔子のトリセツ(取扱い説明書)です。 江戸時代の日本の儒学者、伊藤仁斎(いとうじんさい)…

小説『わたしを離さないで』の感想〜脳内フェイクに振り回されるリアルな人間関係を巧みに描いた傑作〜

『わたしを離さないで』を読了。2017年にノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人であるカズオ・イシグロ氏の小説である。 以下、一部ネタバレ含みます。 原書で2回、日本語訳ではこれで2回読んだ。なので、合計4回読んだことになる。4回も読んだの…

現代の日本人はなぜ源氏物語の読破に挫折するのか?

謹んで、ここにご報告させていただきます。 以前、古典エッセイイストの大塚ひかりさんが訳された『源氏物語』を読み始めたのですが、いつのまにか挫折していました。 瀬戸内寂聴さん訳の源氏物語にも挫折した過去があるので、2回目の敗北ということになり…

源氏物語のわかりやすいおすすめの現代語訳はこれ!〜大塚ひかり氏の解説が面白い〜

今、光源氏で有名な源氏物語を読んでいます。 大学生の頃に瀬戸内寂聴氏の訳で挑戦したことがあるのですが、登場人物たちがことごとく情にもろく、やたらとめそめそばかりしているのに正直イライラして挫折しました。心身ともに貧弱な登場人物があまりに多い…

中国の四大名著の一つ『水滸伝』の訳のおすすめは?

中国四大名著の一つ、『水滸伝』を読みました。 「水滸伝」というのは「水のほとりの物語」という意味で、残りの三名著は『三国志演義』、『西遊記』、『紅楼夢』とされています。 いきなり全訳を読みこなす自信はなかったので、比較的評判の良い岩波少年文…

行政書士試験に独学で合格するためのおすすめテキスト10冊〜行政法、民法、憲法、そして一般知識まで〜

行政書士試験の難易度 行政書士試験に独学で合格するためには? 1. 行政書士試験に独学で合格するための行政法テキスト スー過去シリーズの使い方 2. 行政書士試験に独学で合格するための民法テキストその1 3. 行政書士試験に独学で合格するための民法テキス…

村上春樹のエッセイ『やがて哀しき外国語』の感想。

本の紹介です。 村上春樹氏の『やがて哀しき外国語』。 著者の数年間に渡るアメリカ滞在生活をもとにして書かれたエッセイです(当時40代)。当時彼は、アメリカの大学に客員研究員として在籍していました。1991年からなので、ちょうど日本のバブル経…

村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』の感想

本の紹介。 『走ることについて語るときに僕の語ること』と題する、村上春樹の自伝的エッセイ、もしくはエッセイ的自伝です。 ファンの方ならご存知と思いますが、著者は、長年に渡り、習慣的に、走り続けています。本書は、走ることについて語ることを通し…

村上春樹の短編小説集『カンガルー日和』の感想

本の紹介です。 村上春樹の『カンガルー日和』 。 普通の短編より、さらに短い長短編が18編収録されています。 本当に短くて、たしか村上春樹さんはどこかで、スパゲティーを茹でている間に読むのに適した本のことを「スパゲティー小説」と呼んでいました…

村上春樹のエッセイ『村上朝日堂の逆襲』の感想

小説家、村上春樹さんの『村上朝日堂の逆襲』を読みました。 著者が30代の頃に書いたもの。平凡な日常が綴られており、適度に力が抜けていて、読んでいてほくほくします。日常体験をこれだけ面白く読める文章に仕立て上げる技術はさすが。変顔とおなじで、…