気圧差が生じる原理が超わかりやすく簡単に解説された『図解 気象学入門』~温度差が気圧差を生み、気圧差で風が吹く?~

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気象予報士試験対策として『図解 気象学入門』を読んでいます。

今日は、気圧差の生じ方について学びました。

風によって木の葉がゆれるのを見るとき、風とは空気の運動であることを容易に想像できます。しかしながら、「空気を運動させている力は何か」と問われれば、それに答えるのは容易ではありません。というのは、力は目に見えないからです。

(同書P140より)

中学校の理科の授業では、風は気圧の高いところから低いところに向かって吹く、つまり高気圧の場所から低気圧の場所に向かって吹く、と教えられると思います。

では、なぜ高気圧、低気圧が生じるのか、というのが今日読んだ部分で解説されていました。

結論を先にいえば、気圧差を生じさせているのは、温度差です。

本書では気柱のモデルというものを使って説明されていますが、最初はちょっと飲み込むのに時間を要するかもしれません。

でも本来は説明がもっとずっと難しい現象を、苦心してここまでわかりやすくしたということが何となく察せられます。

以下が気柱のセオリーの図解。

 

気柱とは、地上から一番上までの大気を切り取った、いわば「空気の柱」のようなもので、この重さを気圧とするものです。

二つの気柱の温度が同じならば、それぞれの気柱の高さは同じです(一番左の図)。

しかし、温度の差が生じると、暖かい気柱は膨張して上に伸び、冷たい気柱は縮こまります(真ん中の図)。

ただし、気柱は伸び縮みしただけで、それぞれの重さは変わりません。ゴムを伸び縮みさせても重さが変わらないのと同じですね。

とはいえ、二つの気柱の上の方で切り取ってみると話しは違います(図の破線部分)。

仮に破線部分を一種の地上と見た場合、その上にある空気は、伸びた気柱の方が多くなっていることがわかります。

つまり、上空(破線部分)では暖かい気柱の方が気圧が高くなっているのです。

すると上空では、伸びた気柱の方(高気圧)から縮んだ気柱の方(低気圧)へと空気が移動します(上空で吹く風ですね)。

その結果どうなるのでしょうか?

伸びた気柱から縮んだ気柱へと上空で空気が移動したので、縮んだ気柱の方が全体として重くなるのです。

そのため、地上では縮んだ気柱の方が気圧が高くなります。同時に、伸びた気柱の方は上空で空気がもう一方の気柱へと移動してしまったので全体として軽くなり、地上気圧が低くなります。

本書では以上のことが、

2つの気柱に温度差ができると・・・

○温められた気柱は伸びて、地上で低気圧、上空で高気圧

○冷やされた気柱は縮んで、地上で高気圧、上空で低気圧

(同書P145より)

本書を何度か通しで読んだのでわかるのですが、この気柱のセオリーをきっちりおさえておかないと、その後の解説を読んでも混乱して何が何だかわからなくなります。

自分の理解も兼ねて、ここでまとめて紹介してみました。引き続き読み進めていきたいと思います。