『図解 気象学入門』を気象予報士試験対策として読み進めています。
今日は、P170~176を読み、モンスーン(季節風)について学びました。
ここに自分なりの理解をまとめておこうと思います。
モンスーン(季節風)とは何か?
日本からインドにかけての地域では、夏は海洋から大陸の方へ風が吹き、冬は逆に大陸から海洋へ風が吹きます。
この季節によって風向きの逆転する風のことをモンスーン(季節風)といいます。
例えば、日本では冬の象徴として北風があります。
あれがモンスーン(季節風)で、大陸から日本の位置する海洋方面に吹き渡ってきたものです。
(熱帯モンスーン気候(Am)とは!? 特徴を簡単に覚える方法! | 受験地理B短期マスター塾より)
夏と冬でモンスーン(季節風)の風向きが逆になる理由
ではどうして夏と冬では風向きが逆になるのでしょうか?
それは大陸と海洋の性質の違いが原因です。
大陸には熱せられやすく冷めやすい性質があります。
夏は強い日射によって熱くなり、冬は冷めて冷たくなります。
一方、夏は海洋も日射により温められますが、底の方の水や、周囲の水とかき混ぜられるため、大陸のようには熱くなりません。
冬も同様の理由で冷えにくいです。
では、大陸と海洋の間にこのような性質の差があると、どうなるでしょうか?
夏は大陸で低気圧、海洋で高気圧、すると…?
夏は大陸の地表が熱せられ、その上の空気が温められます。
すると地上の気圧は低くなります。(この因果関係がわかりにくい人は過去の記事を参考にしてください)
一方、海洋は温まりにくいので、大陸に比べて気圧が高くなります。
そうすると、大陸は低気圧、海洋は高気圧という状況ができあがります。
風は高気圧から低気圧に向かって吹くので、夏は海洋から大陸へ風が吹くというわけです。
冬は大陸で高気圧、海洋で低気圧…すると?
冬はその逆です。
冬の大陸は冷めやすく、地表に接する空気は冷やされるので、地上は高気圧となります。
一方、海洋は冬でも冷たくなりにくいため、地上に比べて気圧が低くなります。
そうすると、大陸は高気圧、海洋は低気圧という状況ができあがります。
その結果、大陸から海洋へ風が吹くというわけです。
つまり、日本の冬の北風は、大陸と海洋の性質の違いが起こしているといえますね。
冬の日本海側で大雪が降る理由
冬の日本では日本海側で多くの雪が降ります。
これは大陸からの冷たい空気と、日本海における南からの暖流のコンビネーションが起こすものです。
冬、上空には冷たい空気がありますが、海上は暖流により空気が比較的暖かく、同時に海水の蒸発によって湿っています。
たとえれば、湯の近くの空気は温かく、頭の上は冷たい、冬の露天風呂状態です。
温かい空気は軽く、上昇していきます。
その過程で空気の温度が下がり、冬の結露と同じ理屈で、含まれている水蒸気が水滴、つまり雲の粒に変化します。
そうしてできた積乱雲が、日本海側で大雪を降らすのです。