『イラスト図解 気象学入門』を使って気象予報士試験対策をしています。
今日は、温度風について学びました。ここに自分なりの理解をまとめておこうと思います。
本書には、温度風とは「地衡風の鉛直シアを表したもの」(P246)とありますが、これだけの説明だと何のこっちゃとなりますね。
地衡風とは気圧傾度力とコリオリ力が等しいときに吹く風のことですが、詳しくは以下の記事で解説しております。
地衡風とは何か?その読み方から意味、仕組みまで超わかりやすく簡単に解説してみましょう!【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
温度風とは?
温度風は簡単にいえば、下層で吹く地衡風と上層で吹く地衡風の向きと大きさの差を表した風のことです。
あくまでも下層と上層の差のことなので、実際に吹いている風ではありません。
温度風はベクトルで表せる
数学で、向きと大きさを表す概念としてベクトルというものがあります。
そのベクトルで温度風を表すと次のようになります。(ちなみに、ベクトルは長さが大きさを、矢印の向きが方向を表します)
下層の風のベクトルの先から、上層の風のベクトルの先まで引いたものが温度風です。
温度風の特徴
この温度風の特徴として、北半球では、暖気側を右手にして吹くということが挙げられます。
上の図では、地衡風は下層から上層へと時計回りになっていますが、これを風の順転といいます。
風が順転する場合、風が暖かい側から冷たい側へと吹く、暖気移流となります。
図を見ると、確かにそのようになっていますね。
ではここでクイズです。
以下の図では、地衡風が下層から上層へ反時計回りになっていますが、これを風の逆転といいます。
さてこの場合、図の上と下どちらに暖気あるいは寒気があるのでしょうか?
ヒントは、これが北半球での話しであることです。
先に答えをいうと、上が暖気側で、下が寒気側です。
なぜなら、温度風というのは、北半球では、暖気側を右手に吹くからです。
また、下が寒気側ということは、地衡風が寒気側から暖気側に向かって吹いているので、この図は寒気移流を表していることがわかります。
つまり、冷たい空気が暖かい空気に入り込んでいっているわけですね。
まとめ
まとめると、温度風とは、下層と上層の地衡風のベクトルの差のことであり、下層の地衡風ベクトルの先から上層の地衡風ベクトルの先まで引いたベクトルで、北半球では暖気側を右手にして吹くもの、ということになります。