『図解 気象学入門』を気象予報士試験対策として読み進めています。
今日は、気圧の谷や気圧の尾根について学びました。
自分なりの理解をここにまとめておこうと思います。
昨日は、高層天気図(等圧面天気図)について書きましたが、今日はその知識に基づく記事です。
高層天気図についてよく知らない人は、以下の記事を先に読むことをおすすめします。
高層天気図(等圧面天気図)とは何か?その等高度線と気圧との関係を超わかりやすく簡単に解説!【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
高層天気図の簡単なおさらい
高層天気図は、上空の気象状況を表したものです。
500hPaの高層天気図なら、上空の500hPaの点を結び合わせてできた面(等圧面)を上から見た図になっています。
書き込まれている数字は、500hPaの高度を表しています。
数字は高度ですが、その値が大きいと気圧も高く、小さいと気圧も低いと見なして問題ないことは、上に貼った記事で書きました。
ちなみに、高度が書き込まれた線は等高度線と呼ばれます。
気圧の谷、気圧の尾根とは?
以下は、500hPaの高層天気図です。
(『図解 気象学入門』P187より)
北半球の大気の高層では、緯度が高くなるにつれて等圧面が下がります。
図でも、北側ほど500hPaになる高度が下がっています。
これは、北半球では北側ほど空気が冷たいためです。
ここまで理解できれば、気圧の谷と尾根の理解は簡単です。
気圧の谷とは、高緯度の等高度線が南側に張り出した部分のことです。
一方、気圧の尾根とは、低緯度の等高度線が北側に張り出した部分のことです。
上空に気圧の谷があるときは、普通、地上には低気圧があり、気圧の尾根があるときは、地上には高気圧があります。
気圧の谷と尾根のやや東側にある、低気圧と高気圧を発達させる仕組み
ただ、より厳密にいうと、地上の低気圧の中心は上空の気圧の谷のやや東側にあり、高気圧の中心も気圧の尾根のやや東側にあります。
それは、上空の偏西風(西から東に吹く風)が気圧の谷を通り過ぎると、その空気がばらけてしまい、そこへ低気圧の上昇気流が流れ込んで低気圧自身を発達させるからです。
もしこの空気がばらけた場所、いってみれば低気圧の上昇気流の逃げ道がないと、空気が集まってしまって気圧が高まり、低気圧は発達できません。
一方で上空の偏西風が気圧の尾根を通り過ぎると、その空気が集まって下降気流となり、高気圧を発達させます。