『図解 気象学入門』と『イラスト図解 よくわかる気象学』で気象予報士試験対策をしています。
今日は、高層天気図についてちょっと復習しました。
ここに自分なりの理解をまとめておきます。
普段、天気予報などで目にする天気図は、地上天気図と呼ばれ、地上の気圧配置を表したものです。
一方、高層天気図は、上空の気象状況を表したものです。
上空で気圧が500hPaのところを点で結んでいけば面を作ることができます。
500hPaの点の集合からできる面なので、これを等圧面といいます。
膨らんだところやへこんだところのある、ふわっと空中に浮かぶシーツを思い浮かべるとわかりやすいです。
それが等圧面のイメージで、そのシーツのどの場所も同じ気圧になっています。
自分はこれを等気圧シーツと呼んでいます。
そのシーツを上からみたのが以下です。
(『イラスト図解 よくわかる気象学』P195より)
これは500hPaの高層天気図で、いわば上空の500hPaの点が集まってできたシーツを上から見ています。
そのシーツはどこも気圧が等しい面(等圧面)なので、高層天気図は等圧面天気図とも呼ばれます。
書き入れられている数字は、高度の等しい点を結んだもので、等高度線と呼ばれます。
上空に浮かぶ500hPaの等気圧シーツなので、高度が5820mのところも、5700mのところも、気圧は500hPaです。
しかし、この高層天気図からも気圧の高いところや低いところを読み取ることができます。
等高度線の数字が大きいところの気圧は高く、逆に小さいところは気圧も低いのです。
どうしてでしょうか?
それは、気圧は高度が上がるほど低くなる、という基本を知っていれば、よく考えてみるとわかるはずです。
上で引用した図の5820mと5700mの等高度線に注目してみます。
二つは高度は違うものの、気圧は同じ500hPaだと先に述べました。
しかし、気圧は高度が上がるほど低くなる(重要なので2回目)、ということを念頭に置きながらこの図を見てみると、二つの等高度線間の気圧差が浮かび上がってきます。
5820mより低い5700mの高さですでに500hPaということは、もともとの気圧が低いということです。
一方、5700mより高い5820mの高さでやっと500hPaになるということは、もともとの気圧が高いということです。
以上から、等高度線はあくまで高度を表したものですが、その数字が大きいところは気圧も高く、逆に小さいところは気圧も低いと考えて差し支えないことがわかります。
ちなみに、等高度線の間隔の狭いところは、気圧差が大きく、風は気圧差による力(気圧傾度力)によって吹くので風が強く吹いています。