「バスは8時に出発します」に英語の未来形は使わない?~繰り返される公の予定と不変の真理の共通点~

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引き続き、『例解 和文英訳教本』(文法矯正編)を読み進めます。

一気に英訳課題4題分進めました。

へえと思ったのが、公共交通機関の乗り物の発車時刻や公の行事に関する予定は、現在形で表す、ということ。

すなわち、「のぞみ1号は半永久的に午前6時に東京駅を立つ」のである。この現象はダイヤ改正が行われるまで毎日繰り返される。<半永久的に続くこと>と言える。したがって、(1)は次のようになる。

(c)’ Nozomi No.1 leaves Tokyo Station at six a.m.

この「のぞみ1号」のような毎日運行する<公の乗り物>や毎年行われるような<公の行事>についての<予定>には現在形を用いる。

(『例解 和文英訳教本』 (文法矯正編)P78より) -

予定であるからといって何でも英語の未来表現を使うわけではないのです。

The bus leaves at 8:00.

バスは8時に出発します。

これはバスの出発という予定を一種の「不変の真理」と見なしているのでしょう。

英文法で習う「不変の真理」は、いつの時代でも変わらないことを意味しました。

例えば、月の公転はこれまで長い間あったことですし、これからも半永久的に続くことなので不変の真理です。

そういうものを英語では現在形で表します。

The moon revolves around the Earth.

月は地球の周りを回る。

バスの出発もこの月の公転のように見なし、たとえ予定であっても現在形を使うのですね。

公共交通機関の出発に未来形を使ってしまうのは、案外英語が得意だと思っている人に多いかもしれません。

英語が時制に厳密な言語と知っていればこそ、一見予定には見えない日本語の「出発します」を英語の未来形できちんと表現してしまうからです。

誰のことか?

私です。

もう一つ注意すべきは、leaveは他動詞だということ。

「~を出発する」をleave from~としたくなりますが、他動詞なので前置詞のfromは使えません。

なので、例えば、「難波駅を出発する」は、leave Namba Stationとなります。