梅雨前線とは何か?そのでき方と地域別の特徴を超わかりやすく簡単に解説!~南日本と西日本の梅雨前線は半中国産?~【気象予報士試験対策】

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『図解 気象学入門』を使って気象予報士試験対策をしています。

P218~224の梅雨について解説した部分を読みました。ここに自分なりの理解をまとめておきます。

梅雨前線の正体は停滞前線

梅雨を作り出すのは、梅雨前線(ばいうぜんせん)です。

梅雨前線の正体は何かというと、停滞前線です。

停滞前線は、暖気と寒気がぶつかり合い、両者の力が均衡している前線のことです。

互角の状態なので、前線の進行方向が定まりません。

以下の図の、日本列島に沿って中国の南部までに伸びている線に半円と三角形の印が付いたものが梅雨前線(停滞前線)です。

(『図解 気象学入門』P220より)

南日本と西日本の梅雨前線は半中国産?

梅雨前線は前線なので、暖気と寒気という二つのプレイヤーがいます。

面白いのが、この梅雨前線の二つのプレイヤーの組み合わせは、中国、南日本及び西日本、東日本のそれぞれの地域において異なる点です。

実は、南日本及び西日本の梅雨前線は、半中国産です。

それぞれ見ていきましょう。

前線とは何かということについては、以下の記事で解説しています。

前線とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】

中国の梅雨前線

中国の梅雨前線は、中国の南西から吹いてくる高温多湿のモンスーンと、チベット高原の北側を通ってくる上空のジェット気流が中国東部で下降したものがぶつかることで生じたものです。

比較的高温なモンスーンが暖気、それに比べれば温度の低い下降したジェット気流が寒気となり、両者がぶつかり合うことで停滞前線となります。

すると、気圧の谷の西側にあたる場所では、いつも上空から吹き下りてくる気流があることになります。この気流は、日射で熱せられやすい大陸の地表に接して、高温で乾燥するようになり、中国南部で南からのモンスーンとぶつかって前線をつくります。このようにして、中国では「メイユ(梅雨)」とよばれる雨期が始まります。中国大陸上でできる前線は、気団の観点で見れば、温暖・乾燥の長江気団と高温・多湿の赤道気団の間にできたものです。

(同書P221より)

南日本及び西日本の梅雨前線

南日本と西日本の梅雨前線は、寒気が中国東部の下降気流によるものという点で中国の梅雨前線と同じです。

しかし、暖気の方はモンスーンではなく、太平洋上の小笠原高気圧の西側を迂回してやって来る高温多湿の気流です。

この気流は、太平洋高気圧縁辺流(たいへいようこうきあつえんぺんりゅう)とよばれます。

前線を作るプレイヤーの一方が中国大陸由来のものなので、南日本と西日本の梅雨前線は半中国産といえますね。

東日本の梅雨前線

東日本の梅雨前線は、暖気が太平洋高気圧縁辺流という点では南日本及び西日本と同じです。

しかし寒気は、オホーツク海高気圧からの低温多湿の気流です。

この気流が東北の東沖の冷たい海上を通ることで湿ります。

その湿った低温の気流がやってくる地域に、梅雨寒(つゆざむ)とよばれる、低温でしとしと雨の降る天気をもたらすのです。

 

以上、地域別の梅雨前線について書きましたが、言葉で理解しようとするより、上に引用した図を見るのが一番わかりやすいと思います。

どこからの暖気と寒気がぶつかり合うことで梅雨前線、つまり停滞前線ができているのか、図だと一目でわかりますよ。