引き続き、『実践 日本人の英語』を読み進めます。
本日は、原因、理由を表す接続詞について解説されたP141~158を読了しました。
意外だったのは、英語のandには理由、結果を表す用法があるという事実。
ちょっと英語がしゃべれる程度の人、あるいはけっこうしゃべれる人でも、日本語の「だから」とか「それで」とか「んで」の感覚で接続詞のsoを使いまくっていないでしょうか?
私たち日本人が日本語で「だから」、「それで」、「んで」と言うとき、多くの場合、それほど論理的な必然性は伴っていないものです。
例えば、
「あたしって男にモテるじゃん?だから女友達にあんま好かれないんだよねー」
というときの、「男にモテる→女友達にあんま好かれない」という論理はかなり必然性に乏しいものです。
男にモテて多くの女友達に好かれている人は世の中に少なくないからです。
こういうあやしい因果関係のときの「だから」は、soで言い表すのは不適切になります。
なぜなら、soは強い因果関係があるときに使われるものだからです。
改めて確認しておくと,soは,基本的に副詞のthereforeと同じように,当然の結果を示すために用いられる言葉なのであり,sinceやbecauseよりもさらに緊密な因果関係を表現する接続詞なのである.
(マーク・ピーターセン『実践 日本人の英語』(岩波新書)P148より)
本書でsoが使われる例として挙げられているのは、次のような英文です。
I have not yet acquired citizenship, so I have no voting rights.
(同ページ)
意味は、「私は、まだ国籍を取得していないので、選挙権を持っていない」です。
「国籍を取得していない→選挙権を持っていない」という論理は必然性があり、「当然の結果」といえるものです。
では、日本人が普段軽い感覚で使う「だから」、「それで」、「んで」は何で表せばいいかというと、andなんですね。
andはそういうゆるい因果関係を表す場合に使うことができます。
例えば、「彼は階段から落ちて、それで骨を折ったんだ」といいたければ、
He fell downstairs and broke his leg.
彼は階段から落ちて、それで骨を折ったんだ。
とすることができます。
階段から落ちたからといって、いつも必ず骨折をする、そういう必然性はないですからandを使います。
英語を話すときにsoを使うと、何となく英語デキる感が出ます。
しかし、大して論理的必然性がないところでsoを使い過ぎると、ネイティブには奇妙に思われるかもしれません。
soを使う前に「したがって」や「それゆえ」で自然に、強く前後がつながるか、ちょっと考えてみるといいでしょう。
「あたしって男にモテるじゃん?したがって女友達にあんま好かれないんだよねー」
あんま「したがって」ないと思われたらsoの出番ではありません。