「最後に、最終的に、結局」は英語でat lastではない?「とうとう、ついに、やっと」との違いに気づこう!

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引き続き、『実践 日本人の英語』を読み進めます。

今回は、P121~139を読了。

文中での副詞(almostなど)の配置場所について解説されているのですが、最後に意外な発見があったので紹介。

それはat lastの使い方についてです。

日本語の「最後」という意味での「ラスト」に使い慣れているせいか、at lastは「最後に、最終的に、結局」という意味だと誤解されがちです。

実はat lastは「最後に、最終的に、結局」という比較的客観的な表現というよりかは、「とうとう、ついに、やっと」といった、ふんばった感を含む言い回しなのです。

本書では、「結局,私たちはそのまま2-0で負けた」(P138)という日本語の不適切な英訳の例として、

At last, we lost by the same 2-0.

(同ページ)

というものが挙げられています。

実は、この英訳だと、「やっと,私たちは同じ2-0で負けた」(同ページ)という意味合いになります。あたかも負けるために頑張ったかのような言い方なんですね。

単に、客観的に、中立的に、「結局」と言いたいのであれば、ここはat lastではなく、in the endを使うべきところです。

へえ~、と思われましたか?

でも実はこうしたことも、高校生向けの辞書にさらっと書かれているものなのです。

lastを英和辞典で引いてみると、次のように記述されています。

(待ち望んだことが実現して[しそうで])とうとう,ついに,やっと(►単に時間的に「最後に」「最終的に」は in[at] the end, finallyなどを用いる ).

『アンカーコズミカ英和辞典』P1039 lastの項目より)

ちなみに、finallyについては、「とうとう、ついに、やっと」という、ふんばった感のある意味としても使えます。

「最後に」という意味では、finallyは普通、文頭に置かれるようです。

[通例文頭で]最後に.Finally, I wish to thank all of you for coming. 最後に,おいでいただいた皆様にお礼を述べたいと思います.

(同書P682 finallyの項目より)

『実践 日本人の英語』は、読むと目から鱗の連続ですが、同時に学習辞典のすごさに気づかされます。