気象予報士試験対策として『図解・気象学入門―原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図』を読んでいます。
今日は、大気の温まり方について勉強しました。
ここに自分なりにまとめておきます。
大気の温まり方については対流というものが大きな役割を果たすので、まずはそれを理解することが大切です。
対流をひと言で何という?
対流とは、ひと言でいうと、縦方向の空気の流れです。
日射によって地面が温められると、その地面に接した空気も温められます。
こうした温まり方を熱伝導といいます。
熱伝導とは?
熱伝導とは、温度の高いところから低いところへ物質内部を熱が伝わる温まり方です。
これは物質そのものが移動して熱が伝わっているのではなく、物質内部の原子や分子がそれぞれ衝突し合いながら震え、その激しさが熱として伝わっています。
イメージとしては、ひもを使って電車ごっこをしているときに、一番前とその後ろの二人がケンカを始め、その衝撃がさらに後ろの人間へと伝わっていく感じです。
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ただ空気の場合、その熱伝導率の低さのため、地面から数十センチのところまではかなり温まりますが、それ以上の高さの空気は大して温まりません。
十人で電車ごっこをしてケンカが始まったとすると、前三人くらいだけで激しく動いているイメージです。
物質自身が移動して熱を伝える対流
この不十分な熱の伝わり方を解決するのが、対流です。
日射で地面が温まり、その地面に接した空気が温まることは先に述べました。
その後何が起こるかというと、その温められた空気は密度が小さくなって軽くなり、浮力によって上昇していきます。
こうして上昇する空気のかたまりをサーマルと呼びます。
また、この上昇する空気の流れを上昇気流といい、逆に下降する空気の流れが下降気流です。
この二つの気流、つまり縦方向の空気の流れをまとめて対流と呼びます。
熱伝導は、物質内部を熱が伝わるものでしたが、対流は物質そのものが移動して熱を伝えます。電車そのものが移動していくのです。
地面からその少し上の空気に伝導によって伝わった熱は、上昇気流に乗ってさらに上へと伝わっていきます。
水蒸気を媒介にして地面から上空に運ばれる熱
さらに熱の大移動に一役買うのが、水蒸気です。
地面の水が蒸発(気化)するとき、蒸発するためのエネルギーとして地面から熱を吸収します(液体から気体に変化するときに吸収される熱を気化熱という)。
次に、地面から熱を得た水蒸気は、上昇気流によって上空へと運ばれます。
上空では気圧が下がるので空気は膨張して温度が下がります。
空気は温度が下がると含むことのできる水蒸気量が減るので、含みきれなくなった水蒸気は雲の粒、つまり水滴に変わります(凝結)。
水が水蒸気に変わる場合と違い、水蒸気が水に変わるときは逆に熱(凝結熱)を放出します。
こうしてもともと地面にあった熱は上空の大気へと移動することになるのです。