蝗害を引き起こすイナゴは毒があるから食べることができない?中国の蝗害について中国人が解説!

スポンサーリンク

今日头条というアプリの艺述史というチャンネルで、蝗害(こうがい)について解説した動画を視聴。

蝗害とは、バッタやイナゴの大量発生によって農作物が受ける災害のことである。

今は農薬の普及により先進国ではあまり見られなくなった。

中国では、古代からこの蝗害と、それによって引き起こされる飢饉に悩まされてきたようだ。

古くは殷の甲骨文にも蝗害の記録が見られる。また、周の詩篇『詩経』にもバッタ駆除の様子が書かれている。漢代になると記録が増え、紀元前175年(文帝6年)を始めとして、漢書、後漢書には20回以上もの蝗害の記録があり、後漢の思想家王充や官僚の蔡邕も自書の中で蝗害について述べている。

蝗害 - Wikipediaの「蝗害の歴史と特色 中国大陸」)より)

動画では、蝗害で食べ物が不足したとき、なぜそのイナゴを食べないのか、という疑問について解説している。

いくつか理由が挙げられているが、1つは、群になっているイナゴは有毒であるからだという。

イナゴはふつう緑色をしているが、群になったものは茶色になっている。これは、天敵から身を守るために環境に合わせて色を変えている。この変異の際に有毒な化学物質が生成されるため、群になったイナゴは食べてはいけないという。

イナゴを食べないもう1つの理由は、イナゴではお腹を満たせないからだとする。

イナゴは捕まえにくいので、人々のお腹を満たすだけの量を捕獲することは難しい。また、イナゴから摂取できるカロリーも知れている。

蝗害に見舞われると、その年の冬はもちろん、翌年の春、夏、ひどい場合には秋、冬にまでその影響が及ぶという。だから昔の中国人は、谈蝗色变(イナゴの話が出ると人の顔色が変わる)と言ったそうだ。

YouTubeで、中国人がイナゴを捕まえて油で揚げて食べる動画を発見した。先の動画の解説では、緑のイナゴは食べれるとしていた。しかし、こちらの動画では茶色のイナゴを手にして、

「こんな色をしたのが食べれるやつ。他の色のは食べない方がいい。毒があるかもしれないから」

(0:12~)

と言っている。

一方、先の解説動画のコメント欄では、以下のコメントが書き込まれていた。

我经历过两次蝗虫灾,一次是黄色的,味道腥不好吃。另一次是绿色的,可以吃。

我是没吃过

2回蝗害を経験したことがある。1度目は茶色のやつで、生臭くてまずい。その次のやつは緑色で、食べれる。私は食べたことない。

(コメント欄より。日本語訳は当ブログ)

毒のあるものがまずいとは限らないが、これを読む限り、茶色のイナゴの方に毒があるような気がしてくる。

食べる予定はないからどちらでもいいが、味はエビに似ているそうである。中国人の食に対する許容範囲は比較的広いから、イナゴを食べることなど朝飯前だろう。フライドイナゴはサクサクして美味しそうだし、自分も勧められたら平気で食べると思う。

中国の食の歴史については、ちくま文庫の『中華料理の文化史』に詳しいので、興味のある方はどうぞ。

 

参考:今日头条「艺述史【蚂蚱不是能炸着吃吗?为啥过去闹蝗灾时,却没人吃蝗虫?】」