人生で成功するための処世術は三国志、魏の司馬懿に学べる!必要なものは忍耐、謙虚さ、そして...

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今日头条(中国)というアプリの艺述史というチャンネルで、人生における成功の秘訣を解説した動画を見る。

成功するかどうかは、忍耐、謙虚、自信の3つが大事であるという。これらを備えた人物として、三国時代の魏(ぎ)の司馬懿(しばい)を挙げている。司馬懿は、魏帝(曹氏)に仕えていたが、曹氏から実権を奪い、その孫の司馬炎は帝位を禅譲(ぜんじょう)のかたちで簒奪(さんだつ)することに成功している。

その司馬懿には、忍耐と謙虚、そして自信があった。

忍耐

動画によると、忍耐力が、その人の人生の上限を決めるという。

司馬懿には、外にあっては蜀(しょく)の諸葛亮(しょかつりょう)という手強いライバルがおり、内にあっては曹爽(そうそう)という政敵がいた。司馬懿は諸葛亮の策略による挑発や、曹爽の侮辱に耐え、最後には勝利した。

→この忍耐力を象徴する司馬懿の名言が、ドラマの『三国志 Three Kingdoms』(原題『三国』)で登場する。

曹爽に失脚させられようとしていたところで、策によって逆に彼を失脚させた際に司馬懿が放った言葉。

我挥剑只有一次 可我磨剑磨了十几年哪

私は剣を振るったのは一度だけだが、剣は十数年磨いてきた。

(『三国』最終話より。日本訳は当ブログ)

謙虚

動画では次に、腰の低さを挙げる。腰を低くするということは、権威のある人間に媚びるということではない。前進をするために、まずは後退することを学ぶ。司馬懿は、兵権を奪われ、密かに監視されていた。そこで下手に動くと曹爽に命を奪われていたかもしれないが、司馬懿は謙虚に振る舞い、自らに力がないと思わせることで生き延びた。

→腰を低くして相手に恐怖心や警戒心を抱かせないのは確かに大事。古代アテナイの歴史家トゥキュディデスは『歴史』の中で、新興国のアテネの勢いがスパルタに恐怖心を引き起こしたことをペロポネソス戦争が起こった原因としている。結果、アテネは敗北。

自信

動画では最後に、自信を持つことの重要性を語る。自分は成功できるのだと信じること。司馬懿は、自分の考えを持ち、自分が何を必要としているか知っていた。一方、政敵の曹爽は、当初は司馬懿と折り合っていたが、小物の言葉により、彼に取って代わろうという考えを持つようになる。これは、曹爽の自信の欠如の裏返しであるという。

→陳腐といえば陳腐な意見。しかし、成功に根拠のない自信が重要というのはよく耳にする。自信を持つには、他人ではなく、自分の考えに基づいて行動することが重要に思われる。文豪の夏目漱石は、『私の個人主義』で、他人本位を止め、自己本位になることで自信を得られた、というようなことを言っている。

『私の個人主義』では、自分の進むべき道がわからずモヤモヤしていたイギリス留学時代の漱石が、ある時、その道を悟る体験が語られている。同じようなモヤモヤを抱えている人には心に響くであろう彼の講演記録。留学時代のその悟りののちに、漱石は小説家として成功することになる。

 

参考:今日头条「艺述史【”人有贵气,一看便知”,三个明显的特质,有一个也不赖】」