未来完了と未来完了進行形の違いが図で超わかりやすく簡単に解説された『日本人の英語』byマーク・ピーターセン

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マーク・ピーターセン『日本人の英語』、パート20のうちのパート13を読了。

パート13は、英語の未来完了と未来完了進行形について。

未来完了の意味

未来完了は、will+have+過去分詞で表す。

一見ややこしそうだが、現在完了の時点が未来に移ったものにすぎない。訳し方は色々だが、(未来のある時点には)「~してしまっているだろう、~したことになるだろう」などという日本語になる。

未来完了進行形の意味

未来完了進行形は、will have been+~ingで表す。基本的な意味は、未来完了と大きな違いはない(ニュアンスの違いについては後で紹介)。「~していることになるだろう」というような日本語に訳せる。

過去のある時点と未来のある時点

本書で、面白いと思ったのは、「過去のある時点」と「未来のある時点」の説明。

My sister will have studied English for two years(あるいは, will have been studying).

P108で挙げられたこの例文では、時点に関して2パターン考えられるという。

1つは、過去のある時点でmy sisterがすでに勉強を始めていて、未来のある時点になれば2年になるというパターン。

もう1は、my sisterは現在まだ勉強を始めておらず、未来のある時点で勉強を開始し、そこからさらに未来のある時点で勉強が2年になるというパターン。

本文では、点と線による図で説明されており、わかりやすい。

未来完了(進行形)は、未来のターニングポイントが明確

未来完了(進行形)のポイントは、「勉強を始めて2年になる」その未来のある時点が、はっきりしていること。それが以下の例文で説明される。

By the time her guests from China actually arrive, she will have studied for two years(あるいは, she will have been studying).(中国からのお客様が実際にみえるまでには, 彼女の勉強はもう2年も続いているであろう.)

(マーク・ピーターセン『日本人の英語』(岩波新書)P109)

この例文だけでは、現在、彼女がすでに勉強を始めているのかは不明である。しかし、勉強を始めて2年になる未来のある時点だけははっきりしている。それはお客様がみえたときである。

「お客様がみえる」といった、事情の基本的な変化が予見される未来のある時点が大きな意味を持つ場合、未来完了や未来完了進行形を使えばよいと本書はいう。

未来完了と未来完了進行形のニュアンスの違い

「will+have+過去分詞」の未来完了と、「will have been+~ing」の未来完了進行形の違いについていえば、後者の方が前者よりもプロセスが生き生きと浮かび上がる。

例えば、上記の例文の「中国からのお客様が実際にみえるまでには, 彼女の勉強はもう2年も続いているであろう」という日本語はどちらかといえば、彼女が一生懸命(?)勉強しているプロセスが想像される、未来完了進行形的な訳であると思われる。

もし、未来完了的な訳にするなら、「中国からのお客様が実際にみえるまでには, 彼女は勉強を2年したことになるであろう」といった感じにするのがいいだろう。

未来完了(進行形)における未来のある時点の表し方

未来完了(進行形)は、(未来のある時点には)「~してしまっているだろう、~したことになるだろう」という意味である。

だから、その未来のある時点がはっきりしているというのは当たり前である。

日本語では、「~までには」、「~する頃には」、「~で」などと、未来のある時点を示す。

英語の場合も、by ~, by the time~,  on ~などの言い方で未来のある時点を表す。

パート13では他に、未来完了と未来完了進行形の、上で紹介した以外の違いについても解説されている。詳しくは『日本人の英語』でお楽しみください。