今日头条(中国)というアプリの艺述史というチャンネルで、老子の言葉を紹介している動画を見ました。
家庭や職場における日々の仕事に追われる現代のストレス社会をどう生き延びていけばよいのか、というのがテーマです。
この課題を克服するヒントになるかもしれない、中国古代の道家思想の開祖、老子の言葉が3つ紹介されています。
老子の名言で学ぶストレス社会を生き抜く極意
欲望は一切の煩悩の根源
1つ目は、
祸莫大于不知足,咎莫大于欲得。
です。
これは欲望と、足るを知らない心を戒めた言葉です。
仏教と道教、この2つの教えでは、一切の煩悩の根源は欲望にあるとしています。
欲望があると、得をしたり損をしたりする中で、神経が緊張し、安心感が失われます。
動画ではここで、古代ギリシャの哲学者、ソクラテスのエピソードが紹介されます。
ソクラテスはある時、市場を歩き回り、多くの品々を目にします。
そして彼の学生たちが先生に、何か収穫はありましたか、と尋ねます。
するとソクラテスは、私には不要なものがたくさんあるとわかった、と答えたといいます。
当欲望膨胀到一个永远不能实现的程度的时候,你就会产生烦恼。
欲望が、永遠に実現できない程度にまで膨らんだとき、煩悩が生まれるのです。
(動画1:23~ 日本語訳は当ブログ)
せいては事をし損じる
2つ目は、
不知常,妄作凶。人不能妄动妄作。
です。
これは、焦ってむやみに行動することを戒めた言葉です。
動画では、焦っていては熱い豆腐は食べられない、ということわざを紹介した上で、人は、心を落ち着けてやればやすやすとできることでも、焦ることによりし損じてしまう、といいます。
如果你此时此刻你的心态不能够平稳一点,那么我想可能这个事情只会向更坏的方向去发展
もしも、今この瞬間に、心を少し落ち着けることができないなら、おそらく物事はより悪い方向に展開していくしかないだろうと思います。
(2:00~)
止まない雨はないから気にしない
3つ目は、
飘风不终朝,骤雨不终日。
です。
これは、何事も永遠に続くものはなく、一時的なものであるということを言ったものです。
超訳すれば、「止まない雨はない」といった感じになるだろうと思います。
動画では、物事が順調であろうとなかろうと、得をしようと損をしようと、気にし過ぎずに軽く見ておけば、平穏な気持ちを享受できるだろうとします。
癒し系思想家、老子の本は現代ストレス社会の必読書
この記事では老子の言葉の厳密な意味や訳は載せていませんが、もし気になる方は、岩波文庫の『老子』など、わかりやすい訳の載った本があるので目を通してみてください。
老子の言葉には、静かな場所で池を眺めているかのような癒しがありますよ。
参考:今日头条「艺术史【压力太大怎么办?老子教你如何发泄,记住3句话就够了】」