電気がない古代の中国では夜の生活はどのようなものだったのか?

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中国の今日头条というアプリの史小记というチャンネルで、中国における近代以前の夜の生活について解説した動画を見ました。

タイトルに「古代の中国」と書きましたが、これはアヘン戦争以前の中国という意味です。中国の歴史学では「古代」というと、近代以前のことを示すようです。

中国における電気の登場

1732年、アメリカの科学者フランクリンが電気を発明し、1879年には同じくアメリカの科学者エジソンがそれを電球として実用化しました。

そして、中国では清王朝の時に初めて電気が登場します。

電気がない時代の中国の夜の生活

それでは清朝以前の電気がない時代の人々はどのように夜を過ごしていたのでしょうか?

中国、五代十国の南唐の韓熙載夜宴図(かんきさいやえんず)という作品には、その当時の官僚や豪商らの夜の生活ぶりが描かれています。

といっても、何も特別なことはなく、彼ら(彼女ら)は、家で酒宴を開き、お酒を飲みながらおしゃべりをし、歌ったり踊ったりしています。

中国における夜間外出禁止令の変遷

興味深いのは、中国における夜間外出禁止令の歴史です。

宋王朝(960~1279)以前の中国では夜間の外出が禁じられていました。

それが晩唐の頃から徐々に解禁され、宋の時代になると夜でも自由に出歩けるようになります。

宋の首都開封(かいほう)は、夜になっても人々の賑わいで満ちていたといいます。

しかし、その後の明清の時代になると、再び夜間の外出が禁じられます。

中国の明代に書かれた小説『金瓶梅』では、西門慶(せいもんけい)とその友人が夜に娼妓を呼ぶ場面が描かれます。呼ばれた娼妓は、言うことを聞かないと夜回りの人間に突き出すぞなどと脅されます。

こうして見ると、夜間の外出が自由だった宋の時代は、中国の歴史の中では、特異な時代だったんですね。

中国の伝統文化の源流は宋にあり?

ちなみに、歴史作家の陳瞬臣は『中国の歴史 (四)』(講談社文庫)の中で、現在の中国の伝統文化と宋の時代の文化との親和性について書いています。

現在の日本で、伝統芸能といわれているものは、たいてい室町時代に源があり、時代のつながりが、そこにありありとかんじられます。おなじように、現在の中国も、時代のつながりを感じる度合は、宋のほうが唐よりもずっと強いのです。たとえば、料理ひとつにしても、現在の中国料理は、『東京夢華録』に出てくるメニューとあまりちがいはありません。やきものにしても、宋磁は中国のものというかんじがするのに、唐の三彩には、むしろエキゾチックなかんじをもちます。

(陳瞬臣『中国の歴史(四)』(講談社文庫)P469)

中国文化に関するおすすめの本

最近では、中国古代の日常生活を細部にわたって明らかにした『古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで』(中公新書)という面白い本が発売されました。興味があれば、読んでみてください。

 

参考:今日头条「史小记【古代没有电,难道古人天一黑就睡觉?其实他们比你想象的会玩得多】」