中国の今日头条というアプリの艺述史というチャンネルで、中国人が日本文化の発展について語る動画を見ました。
日本という名の「豆乳」、中国文化という名の「にがり」
日本は明治維新以降、西洋文化に強い関心を持ち、その摂取に努めてきました。
しかし、歴史的には、中国文化に対してそれと同じような態度を取っていた時期の方が長いのですね。
動画では、昔の日本のある学者の言葉を引用しています。
日本在没有遇到中国之前是锅里的豆浆,而中国文化就是一滴卤水,二者相遇就是卤水点豆腐
日本は中国に出会う前は鍋の中の豆乳であったが、中国文化は一滴のにがりであり、両者の出会いはにがりを垂らして豆腐ができあがるようなものだ
誰の言葉とは示されていませんが、調べたところ、日本の東洋史学者、内藤湖南の言葉であるようです。
古来、日本文化は中国文化の影響を受けてきたので、中国人の目には、日本文化の多方面にわたり、既視感を覚えるといいます。
例えば、茶道、書道も元々は中国文化に源流があり、和服も実は唐王朝の時代の装束を模したものである、と。
「娘」という文字の日中での意味の違い
しかし、日本は中国文化を摂取すると同時に、独自の文明を築くため、脱中国化にも努めてきました。
それは例えば、文字改革です。
「娘」という文字は、中国でも日本でも使われますが、意味は異なります。
中国語では「お母さん」を意味しますが、日本語では「女の子」を表します。
日本にはもともと文字がなかった
日本にはもともと文字はなく、中国大陸から漢字が流入して以降、人々はそれを熱心に学習してきました。
しかし、徳川時代になると、排他的な声がちらほらと出てきます。
そして、アヘン戦争で清王朝が敗北すると、漢字を廃止しようという声が日本でより高まっていくことになります。
日本文化の「接ぎ木」式発展モデル
このように、日本は歴史的に中国文化を取り入れる一方で、その影響を除き、独自の文化を造り上げようと努めてきました。
動画では、これを文化の「接ぎ木」式発展モデル(嫁接的发展模式)と形容します。
日本は確かにこのような方法で独自の文化を築き上げましたが、中国自身はどのように文化を発展させていけばいいのでしょうか、と動画は締めくくっています。
おすすめの日本文化論
日本文化論についてはドナルド・キーンの『日本人の美意識』(中公文庫)が面白いです。
特に、日清戦争を境にして、日本が中国文化バンザイから西洋文化バンザイにあっさり切り替わる様が興味深いです。危機時の日本の適応力に感心するばかりです。
参考:今日头条「艺述史 【在继承中华文化过程中,日本采取了哪些措施?你有什么看法?】」