中国人がラバ肉を食べない理由~食べると子供を産めない?~

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アプリの今日头条(中国)の艺述史というチャンネルで、中国人がラバ肉を食べることを避ける理由を解説した動画を見ました。

バラ肉ではなく、ラバ肉です。

中国の多様な食肉文化

中国には多様な食肉文化があり、日本で一般的に食べられる豚肉、牛肉、鶏肉の他に、ロバ肉、カエル肉、アヒル肉などもよく食べられます。日本で有名な中華料理の一つ、北京ダックのあの大きなお肉もアヒルですね。

羅貫中の『三国志演義』では、これは史実をもとにしたフィクションですが、呂布という武将に追われた劉備を匿った劉安が、貧乏で食べ物がなかったため、妻の肉を彼に食べさせるエピソードまであります。

これは遠い昔に作られたフィクションであるにしても、一般の中国人の食肉に対する許容範囲は、比較的広いというのは確かに思われます。

中国人が食べるのを避けるラバ肉

ただそんな中国でも、あまり食べない、あるいは食べることをタブーとするお肉というのが存在します。

それがラバ肉です。

動画では、その説明がされていますが、中国人がラバ肉を食べない理由はいくつかあるようです。

小食で有能なラバ

まず農業技術が発達する以前の社会では、馬、ロバ、ラバといった動物は農民の大事な生産手段ですが、それらはそれぞれに特徴があります。

馬は体格が大きく、走るのが得意ですが、多くのエサを必要とし、養うのにも多くの手間がかかります。

一方、ロバは、必要なエサの量は比較的少ないですが、力はそれほどありません。

ところが、ラバというのは、エサは少なくて済み、力もあるという、馬とロバの長所を両方兼ね備えています。

だから、農民にとって、そのラバを食べてしまうのは、非常に惜しまれることなのです。

ラバを誕生させるのは大変

さらに、ラバを貴重にしているのが、その誕生背景です。

ラバは馬とロバの交配種であり、雄の馬(公马)と雌のロバ(母驴)を交配させたのが「驴骡(リュウルオ)」、雄のロバ(公驴)と雌の馬(母马)を交配させたのが「马骡(マールオ)」と呼ばれます。

そして、誕生したラバには繁殖能力はありません。

だから、必要なエサは少なくても、ラバを誕生させるのはそれなりに大変なのです。

ラバ肉を食べると子供を産めない?

食べるのが惜しいラバですが、食べるのを避ける理由は他にもあります。

ラバには繁殖能力がないので、その肉を食べると子供を産めなくなるという俗信のある地域があるようなのです。そういう意味でラバ肉を食べるのをタブーとされたりします。

中国の食文化に関するおすすめ本

中国の食文化については、ちくま文庫の『中華料理の文化史』という本が面白いです。孔子の食べていたお肉や当時の食事マナーなど、興味深いことが多く記されています。

今の一般的な日本人が思い浮かべるような油と調味料を多く使った中華料理は、案外歴史の浅いものだと教えてくれる、目からうろこが落ちる一冊です。

 

参考:今日头条「艺述史 【啥肉都吃的中国人,为啥忌讳吃骡子肉?吃了真会‘‘断子绝孙‘‘?】」