電車やトイレで人が鏡を見る理由

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山鳥は相手がほしくて鳴くそうだから、鏡を見せればよいかしらん、幼げで、あわれ。

(『枕草子』岩波現代文庫 P51)

という一文を読んで、電車やトイレで化粧直しや髪の毛のセットのために鏡を見ている人も、実は心の底の寂しさから鏡に映った人(自分)を見ているのではないかとふと思った。

そうして見ると、彼女ら、彼らは、少しかわいそうな人たちに思われてくる。必死に鏡をのぞき込んでいるほど。

 

『現代語訳 枕草子 (岩波現代文庫)』を読んでいます。他の出版社の枕草子と違い、注釈が少な目で、原文も載っていないです。けど、その分、内容を追うのに水を差されることがなく、ストレスなく読めます。