高校古典の授業で習った古文知識が役立つ意外な瞬間

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中国人から質問が来た。

宮崎駿の『風立ちぬ』について。

このタイトルは中国語では『起风了』(風が吹いた)と訳されているが、日本語タイトルの「ぬ」は否定の「ず」の意味ではないのか。

だから、『风吹不起』(風が吹かない)と訳されるべきではないのか、と。

おお、古文の知識が役立つときが来た!

嬉々として、この「ぬ」は否定の「ぬ」ではなく、完了の「ぬ」であると説明してあげる。

否定の「ぬ」は未然形に接続するので、否定の「ぬ」ならば、「立つ」を未然形にして「風立たぬ」としなければならない。

完了の「ぬ」は連用形に接続し「立ち」は連用形なので、この「ぬ」は完了なのだよ、と。

すると、その中国人は、「すごい!あなたは大学の先生ですか!」と感嘆してくれた。

社交辞令であることはわかっているけど、高校レベルの古文の知識があるだけでこれだけ良い気分になれるとは。

古典の授業も捨てたモノじゃないと感じた瞬間だった。

 

今回の説明に関しては、『読んで見て覚える 重要古文単語315』を参照しました。巻末に文法事項の一覧表があるので、手早く知識の確認ができ便利です。