華流ドラマ『蘭陵王』第2話の感想と豆知識~6世紀にすでに車椅子が存在していた?~

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おばあちゃんがチャラ男を追い出す?

娘がチャラい男を家に連れ込んできて、親が娘のためを思ってその男を追い出そうとするみたいな「青春あるある」なお話でした。ただ違うのは、高長恭は誠実な男だという点です。歴史ドラマとして、現代的にありえない設定なのに心に響くのは、本質的に現代と変わらないものを描いてるからだと思います。

「踏雪」という不吉で暗示的な蘭陵王の愛馬

高長恭が「兄弟同然」と言うその愛馬の名前は「踏雪(とうせつ)」。「雪を踏む」です。このドラマで「雪」とくれば自然とヒロインの雪舞のことを思い浮かべてしまいます。高長恭が雪舞を踏む?

「高殿のはお前に、災いをもたらすのみの男」という楊林氏の雪舞への言葉とも重なります。

高長恭は誠実なお面をかぶったチャラ男なのでしょうか?

6世紀にすでに車いすが存在していた?

村のある女の子が小さい頃、足を怪我した時に、雪舞に「変な椅子」に座らされたと言って、雪舞は「車椅子よ」と言い返します。高長恭の生きた時代(6世紀)にすでに車椅子があったのかと意外に思い、ちょっと調べてみました。

実際、車椅子的なものは、3世紀頃にはすでに中国に存在していたようです。

障害者を運ぶために使われる車椅子の初期の記録は、3世紀ごろの中国に遡る。当時の車椅子は、重い物を運ぶための手押し車に近いものであり、障害者だけでなく、重い物も運ぶもので、障害者専用として明確に区分けされていたわけではなかった

Wikipedia「車椅子」より)

恋のキューピットとしてのニワトリ、また一役買う

雪舞のニワトリが大量の花をまとい、村民の注目を引きつけている間に、雪舞と高長恭は村に入ることに成功します。第1話では、このニワトリが雪舞と高長恭を引き合わせましたが、今回も2人のために一役買ってくれました。いい仕事してますねぇ。

怪我をした馬が、2人の距離をさらに縮めた

馬も雪舞と高長恭の恋のキューピットとなっています。もし怪我をした馬、踏雪がいなければ、2人はあの山奥の温泉でそのまま別れていた可能性が高いです。しかし踏雪のおかげで、2人は一緒に雪舞の村に入ることになります。出会いを望む人は、馬を連れましょう。

高長恭の名言 

村の女の子たちにいじめられた雪舞を慰めるために言った高長恭の言葉です。

不要为了别人的想法而改变自己 如果连你自己都不认可自己的话 别人怎么会承认你呢

他人の考えのために自分を変えないで もし君自身さえも自分を認めないとなると、周りの人がどうして君を認めようか?

(筆者訳)

もっと知りたい人のための本

蘭陵王を扱った小説には、田中芳樹の『蘭陵王』があります。

蘭陵王の生きた時代は中国の南北朝時代。時代背景を知りたいなら、『魏晋南北朝 融合する文明』や『魏晋南北朝』あたりがいいかもしれません。