現在進行形と過去進行形は「for ~」などの期間を表す語句とセットでは使えない?
引き続き、『例解 和文英訳教本』(文法矯正編) を読み進めます。
P38~41の継続を表す現在完了形と現在完了進行形の違いがテーマの部分を読みました。
つまり、have doneとhave been doingはどう違うのか、というものですね。
継続を意味する現在完了形と現在完了進行形の違い
本書では、前者(have done)が行為の結果に重点があるのに対し、後者(have been doing)は行為のプロセスに重点があるとしています。
一方、『表現のための実践ロイヤル英文法』(P72)では、以下のように違いが説明されています。
たとえば「大学に入ってからのこの1ゕ月,彼女はけっこう真面目に勉強している」ということを英語では''Since starting college a month ago, she has studied quite seriously.''と言っても,''Since starting college a month ago, she has been studying quite seriously.''と言っても,いずれもよさそうなのだが,この2つの意味はいったいどう違うのか,という問題だ。たしかに意味自体は基本的に変わらない。違うのはフィーリングだけだ。どちらかと言えば,後者の進行形のほうが生き生きしているような感じがする,といった程度の違いしかなく,言わば''臨場感’’がやや強いわけだ。
『例解~』と『表現のための~』のどちらの説明が正しいというより、単に捉えどころの違いがあるだけでしょうね。
have been doingの方はプロセスに重点があるからこそ生き生きと臨場感が出ると見ることができます。
現在進行形と過去進行形は、<期間を表す語句>と相性が悪い?
他に『例解~』でおやっと思ったのが、以下の記述(P40)。
ところで、「ペンキ塗りをしていた」を次のように、過去進行形だと思った人はいないだろうか。
I was painting the house all day.(✕)
これはダメである。過去進行形は<期間を表す語句>(all day)と使えないからである。これは現在進行形の場合も同様である。このことは、通常の文法学習ではあまり強調されて説明されていないことが多いので、ここではっきりと意識していただきたい。
(g)Prices have been rising for the last year.(○)
(h)Prices are rising for the last year.(✕)
「物価はこの1年間上昇している」
(g)(h)の文末のfor the last yearは「この1年間」という<期間を表す句>である。よって(h)の現在進行形とは使えない。
これは初耳でした。
<期間を表す語句>とセットで使えないなら、現在進行形と過去進行形は期間限定性に乏しいのかなと思いきや、その逆の記述を『表現のための実践ロイヤル英文法』の中に発見しました。(P66~67)
進行形の基本的用法は,限られた期間内の動作の継続を示すことにあるが,動詞の性質や,共に用いる「時を表す副詞語句」によって,さまざまな意味を表す。また,現在形と現在進行形との違いは,次のような例によって明らかである。
May usually drinks coffee at breakfast, but this morning she is drinking tea.
(メイはふだんは朝食にコーヒーを飲みますが,今朝は紅茶を飲んでいます)
この文で、drinksはいつもそうしているという「習慣的動作」を表すが,is drinkingは今はそうしているという「限られた期間内の動作」を表している。
何となく『例解~』の説明と矛盾するような気がして、ちょっと考え込んでしまいました。
が、次のように解釈して腑に落としました。
結局、現在進行形と過去進行形は、原則として、期間が長く及ぶことについてはあまり使われないのだろう、と。
束の間的、一時的なので、<期間を表す語句>とは相性が悪いのですね。
上の引用文のthis morningは、期間を限定するような語句ではあるけれども、比較的短い時間のことなので、<期間を表す語句>とまでは言えないのだろう、と。
これが正しい解釈かどうかはわかりませんが、こう考えることで何とかもやもやを鎮めることができました。
今後、現在進行形や過去進行形の続く時間的長さについて注意していこうと思います。