『図解 気象学入門』を気象予報士試験対策として読み進めています。
今日は移動性高気圧について学びました。ここに自分なりの理解をまとめておきます。
移動性高気圧とは、偏西風波動(偏西風の南北の波打ち)に伴う高気圧のことです。
上空の気圧の谷の西側に偏西風が収束する場所があり、気柱(大気を地上からそのてっぺんまでを切り取った空気の柱)に空気が強制的に送り込まれることで地上の気圧が高まります。
(『図解 気象学入門』P214より)
偏西風の収束域から空気が下降するので、断熱圧縮によって空気は乾燥します。
それが移動性高気圧特有のからっとした天気を生むのですね。
注意すべきは、偏西風の収束域からの気流は高気圧の中心から東側へと偏りながら下降することです。
そのため高気圧の中心からその東側にかけて、からっとした天気が広がります。
面白いのが、移動性高気圧の南側や西側は晴れるとは限らないこと。
高気圧の南から吹く風は、南方の暖かい空気と出会うことで前線を作ります。
南の暖かい空気は比較的軽いので、高気圧の南からの空気をはい上がり、それによって雲が生じます。
だから移動性高気圧といっても南側では雨の降ることもあるのです。
上の図でも、高気圧の南側に線にお椀がいくつも付いたような温暖前線のマークが確認できます。
なお前線や温暖前線については、過去の記事を参考にしてください。
・前線とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
・温暖前線とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
また、移動性高気圧の西側には、次の気圧の谷が控えており、その低気圧の影響で雨になったり、南風(南からの風)によって暖かく湿った空気が流入してくることで生じる雨雲が雨を降らすこともあります。
以上のように、一般的に移動性高気圧というとからっと晴れた天気をイメージしますが、必ずしもそれが良い天気をもたらすとは限らないのですね。
移動性高気圧の中心から東側にかけては晴天をもたらすものの、南側や西側はそうとも限らないため、高気圧のルートが北に偏った場合は、晴れるとは限らないようです。
ちなみに、偏西風波動とともに西から東へ移動するため、移動性高気圧と呼ばれています。