今日头条というアプリの艺述史で、中国陝西省にある兵馬俑(へいばよう)の謎について解説した動画を視聴。
その謎というのは、兵馬俑の兵士たちは、鎧(よろい)を着ているが、兜(かぶと)を被っていないというものだ(頭巾(ずきん)は着けている)。
(動画00:37~)
実は現在に至っても謎は謎のままで、明確な理由は不明のようである。そこで動画では、いくつかの可能性を紹介している。
その一つは、当時、秦(しん)では天子に謁見(えっけん)するときは、兜を脱ぐ礼儀があったからというもの。免胄之礼(中国語 miǎn zhòu zhī lǐ )というもので、これにより天子に対する敬意を表す。
もう一つは、勇猛果敢で名高い秦兵であるから、兜を脱いで死をも恐れずに戦う決心を示すためというもの。
また、兵馬俑の中には、馬車に乗った者や、弩弓手(どきゅうしゅ)などもいる。彼らは兜を被らないので、それらと統一感を出すために、その他の兵士も兜なしにしたのかもしれない。
研究により、兵馬俑は実際の兵士たちをモデルにして制作されたとされている。だからひとりひとり顔や表情が違う。そのため、制作者の高度な技術を発揮させるために兜なしにした可能性も考えられる。あるいは、兵士らが煩わしく思って兜を被らなかっただけかもしれない。
秦国制の兜は、目や鼻など顔のほんの一部しか露出しないものである。もし兵馬俑の兵士たちがみな兜を被っていたら、彼らの違いを見ることはできなかっただろう、と解説者は動画の終わりに語っている。
→兵士たちが兜を煩わしがった説は、笑ってしまう。始皇帝のお墓にお供する役目を担っている兵士が、「兜めんどくせぇな、脱ごう」はヤバいと思う。
兜は被ってないが頭巾は着けているというのも不思議である。始皇帝に謁見するときでも頭巾は問題なかったのか。
芸術作品として美的理由から兜なしにしたのか、謎は深まる。
ちなみに始皇帝陵は、地下に地上の宮殿(咸陽宮)を再現したものだそうだ。盗掘を防ぐ仕掛けがほどこされ、水銀で川や海も再現されたという。
後宮の女性たちは、始皇帝の棺とともに生き埋めにされた。彼女たちは言うかもしれない。「土人形の兜のあるないがどないしてんな、あたいらは生き埋めにされてん」、と。
秦の始皇帝については、横山光輝の漫画『史記 (5)』と『史記 (6)』で詳しく知ることができる。漫画なので、面白くわかりやすく、おすすめ。
参考:今日头条 艺述史 兵马俑怪现象揭秘:为何秦兵不带头盔?难怪秦始皇能一统天下