『源氏物語』読書マラソン16〜元服後間もなく、選り好みを始める源氏の君〜

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『源氏物語』読書マラソン16。

大塚ひかり訳『源氏物語』のP58〜60まで読み進めました。前回の続きとして紹介記事を書いていきます(斜体のところは引用です)。

ではどうぞ。

 

元服し(成人し)、葵の上(あおいのうえ)という妻を得た源氏の君ですが、何か物足りない様子。というのも、源氏の君の理想の女性は、葵の上のような人ではなく、彼の継母といえる藤壺。

「ああいう方とこそ結婚したい。似ている人さえいないんだな。左大臣殿の姫君はほんとに綺麗で、いかにも深窓の令嬢とは思うけれど、気に入らない」

 とまで感じてしまう源氏の君です。

源氏の君の「女」の選り好みが、ここに始まりました。きっと最終的には、一人の素敵な女性が彼の側に残るに違いありません。一体どんな女性なのでしょうか?

それにしても、ミカドの嵐のような恋で物語が幕開けたかと思えば、あっけなく息子世代の情事に話が移っていきます。ミカドの恋は、アクション映画冒頭の銃撃戦的な単なる「つかみ」だったのか。ミカドの大恋愛に「うおおお」と読者を興奮させておいて、あっさり息子の成人式の話に移っていく紫式部。

もっと、こう、あるだろう・・・紫。

 

読み進めているのは、古典エッセイストの大塚ひかりさんが訳された『源氏物語』です。いくつもある源氏物語の日本語訳の中でも特に現代的な訳で、かなり読みやすいのでおすすめ。