外国語、学び始めは壁多し
昔、といっても数年ほど前の話だが、僕がまだ中国語を習い始めたばかりの頃のことだ。
その頃、僕はほんとうに中国語の初心者で、文法の基礎もできていないし、文法を習うための最低限の語彙さえ持っていなかった。
どんな言語でも、その初歩の初歩の段階が一番つらい。
文法書を読むにも、まずは一通りの基礎単語を覚えている必要がある。でも、その単語を覚えるにも、その言語自体にまだ慣れていないから、なかなか覚えられない。
正直、苦痛になる作業がかなり多い。
書物から逃げ、Youtube動画を漁る
そういうわけで、僕も単語帳を、そしてその他の参考書も嫌厭していた。何か、楽に初歩の初歩を身に付けることはできないかな、と色々考えた。
書物がイヤなら、音声で覚えるしかない、ということでYoutubeで中国語のレッスン動画を探してみた。
あるには、ある。
でも、なかなか楽しく、少なくとも苦痛なく、中国語を学べそうな動画があまり見当たらなかった。
やはり語学コンテンツに関しては、英語が圧倒的に豊富で、中国語になると一気に不毛になる。
やっぱ英語スゲー(゚ロ゚屮)屮
たぶんもっと根気よく探せばあっただろうが、すぐに検索アプローチを変えた。
「chinese lesson」という風な感じで、英語のキーワードを使って検索をしてみた。そしたら、案の定、たくさんの中国語レッスン動画が出てきた。
アップロードする人間の母数が圧倒的に多いから、やはり英語ベースの情報は、多く、豊かになる。
NHKの語学講座のように真面目なものから、意味が分からな過ぎて目が点になるようなものまで、色々ある。
お、なんか良さげな中国語のセンセー発見
途中、寄り道をして、いつのまにか中国語とはまったく関係のない、いかがわしい動画に流れたりしながら、 「先生」を探した。
お、なんか良さげ。
癒し系な女の子が、アットホームな中国語レッスンをしている。
というかたぶんat homeだ。
「目」や「鼻」といった、体のパーツの中国語を教えてくれる動画。
フゴッフゴッ、NOSE!bí zi
フゴッフゴッ、鼻! 鼻子 bí zi
(1:30〜)
といった感じで、幼稚園の先生が園児に日本語を教えるように、優しくレッスンしてくれている。 言ってみれば、初歩の初歩だ。
でも、これが僕が求めていたもの。
中国語の最も基礎の部分を、気持ち良く築いていけるような教材。あるいは、先生だ。
20代男、幼稚園児に戻る
僕はこのソフィー(Sophie)さんの動画から、体のパーツや数字、季節などの中国語の呼称を学んだ。
残念ながら彼女が投稿している中国語レッスンの動画はそれほど多くなく、本当に基礎的な単語を学んだだけだった。
でも、それで十分だった(逆に「株価操作」みたいな単語まで登場したら戸惑う)。
大事なのは、ソフィーさんのレッスン動画を観ながら、一緒に発音を繰り返したりして、「あ、中国語楽しいな」って感じられたことだ。
そういう「気持ちの良い体験」が、その後の勉強の推進力になった。
逆に最初から単語帳でゴリゴリやっていたら、辛かっただろうなと思う。
ソフィー先生を勧めているわけではない
えっと、僕は別にソフィーさんの動画を勧めているわけではない。
自分はこうして中国語の初歩を楽しむことができました、という個人的な体験を記述しているだけ。
どうやって中国語を勉強するかなんて、どういう風に生きるかと同じで、各人の自由である。
でも、やっぱり、この語学の初歩の段階で、辛い思いをしている人(あるいは苦痛を感じている人)って、けっこういると思うのだ。そういう人たちに少しでも自分の経験が参考になれば、と。
もし、一人で中国語を勉強していて、苦痛でなくとも、ふと寂しくなったり、つまらないな、と感じた人は、ネット空間で(別にリアルでもいいんだけど)、「自分のための先生」がいないか、ちょっと冒険してみるといい。
良い思い出になるような、楽しい先生が見つかるかもしれない。
初級脱出後、中国江蘇省に留学する
話を戻すと、僕はこうして中国語の初歩を学び、その後はいくつもの単語帳や文法書に取り組み(いつまでも園児ではいられない)、そして中国の江蘇省に1年留学した。
今では、基本的な会話には苦労しないし、中国語の新聞だって読める。ここまで来れたのも、初めにソフィーさんのような人がいてくれたからとも言える。
今では、感謝の気持ちでいっぱいである。
恩人のソフィー先生、一旦忘れる。その後、涙の再会。
と、言いつつも、中国語の初級を脱して以降、留学して、ガツガツ勉強して、帰ってきて、その間ずっとソフィーさんのことは忘れていた(どうもすいません)。
そして最近、ふと思い出したのである。
中国語の習い始めの頃、ソフィーか、何とかっていう可愛い女の子の動画をよく観ていたな。あ、そういえば、彼女は自分で作った歌も投稿していて、それを何度も聴いたな。勉強の合間に聴いて、けっこう癒されたなぁ・・・等々。
そんなことをつらつら思い出していると、無性に彼女の歌が聴きたくなった。Youtubeで「chinese lesson」と検索するも、いつのまにか検索結果が様変わりし、ソフィーさんの動画が出てこない・・・ちょっと泣きそうになった。
当時のアットホームで親密な彼女の中国語レッスンや、綺麗な歌を思い出しながら、何とか探しだした。
忘れてた昔のアルバムを見つけたような気分だった。
それがこれになります、はい。
ー いや、お前ぜったいソフィーさん勧めてるだろ。
ーいや、そんなことはない!
ところで、タイトルに「アメリカに住む女の子」と書いてあるのは、もちろんソフィーさんを想定してのことだが、実は彼女が本当にアメリカ住みであるかは、わからない。彼女が投稿している動画からの僕の推測である。その点は、どうかご了承ください。
タイトル付けの時に、どうやって簡潔にソフィーさんのことを書き表したら良いのか、困ったので。
では、最後に中国語のおすすめ教材の紹介です。
中国語教材のおすすめ
おすすめの文法書
文法書ではまず、
が良い。
中国語教育界で有名な相原茂さんの著書で、中国語文法書の定番と言っても良いかもしれない。それなりの書店であれば、まず間違いなく置いてある。
分厚さはともかく、縦横の大きさは図鑑並みだが、中は非常に見やすく、読んでいてストレスを感じにくい。
こんな感じだ。
分厚さはこんな感じ。
基本的な文法に関してはこれ1冊で身に付く。
中国語にはヨーロッパ言語のような動詞自体(単語自体)の変化、活用のようなものがなく、文字の並びと発音がすべて、といった感じなので、1冊でも一通りのことはおさえられる。
ただ、もちろん限界はある。
細かなニュアンス、この言い方とあの言い方はどう違うのか、といったことは、そういう部分に重点を置いたまた別のテキストで身に付ける必要がある。
そこでおすすめできるのが、この本だ。
このテキストは、開いてみると細かな字が並び、白黒印刷で、一見読みにくそうに感じられる。
でも、実際に読んでみると、わかりやすく、中身が非常に濃い。読んでいて目から鱗が落ちるような体験が何度もあった。
この見た目と実際の体験の差異がとても面白い一冊だ。
個人的に、白黒ではなくカラフルにして、文字を大きくし、もっと取っ付きやすい見た目にすれば、今よりもずっと売れると思っている。
見た目だけで読まず嫌いにならず、ぜひ実際に手に取って一項目だけでも読んでみてください。これも写真を貼っておきましょうか。
おすすめの単語帳
単語帳は、これ。
- 作者: 内田慶市,沈国威,氷野善寛,紅粉芳惠,関西大学中国語教材研究会
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2008/05/27
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
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キクタンシリーズは英語でもお馴染みだが、中国語でもある。
僕が買った頃は、上級編がなかったのだが、今ではそれも発売されている。
入門から上級まで揃えると、けっこうな額になるが、それだけの価値はある。
付属されているCDの音声は、ただの単語の読み上げではなく、音楽とリズムを活用し、記憶に残りやすいようにうまく工夫されている。
これだけは実際に買って聴いてみるしかない。
僕は、キクタンシリーズで一通りの単語を覚えた。例文も暗記するつもりで何度も読み込んだ。当然、音読もした。
一旦覚えてしまって、本を処分してしまったのだが、今は懐かしくて、ちょっと後悔している。
また、初心に戻って、発音練習にでも使ってみたいものだ。
ネットで買えるおすすめ教材
その他にも、当ブログではファンキー末吉の中国語講座をおすすめしている。
これは、「爆風スランプ」の元ドラマー、ファンキー末吉さんの教材。彼は、かつては、
この教材の特徴は大きく二つ。
1. 中国語をマスターするために最も重要となる要所、「発音」を、日本人でも簡単に身に付けられるようになっている。
中国語の発音は本当に難しい。
英語の場合、多少日本人的な発音でもけっこう通じるが、中国語の場合はそうはいかない。
難易度で言えば、三輪車と一輪車くらいの差はあるだろうか。
そして、その難しい発音の攻略なくして中国語のマスターはありえないのだが、その要となる発音で、めちゃくちゃ苦労するのだ。
ファンキー末吉さんのこの教材では、その発音を、できる限り短期間で、そして効率的に、習得できるように工夫されている。これが第一の特徴。
2. 日常会話で使われる必要最小限度の単語と文法に範囲を絞ることにより、短期間で効率的に中国語会話をマスターできる
多くの人にとって、中国語を学び始めるのは、十八歳以降だろう。
となると、英語と同じようなやり方で勉強していては、簡単な中国語会話すらできないまま、忙しい社会人生活に突入してしまう。
そんな残念な結末を避けるには、最短で中国語を使えるようになるための「選択」と「集中」が必要だ。
ファンキー末吉さんのこの教材では、中国語会話をできる限り早く身に付けるためにどれが必要でどれが必要でないかを仕分けした後の、核だけが集められている。この凝縮性が、二つ目の特徴だ。
そういう「仕分け」は、普通、全体がまだ見えていない初心者にはできないので、中国語のプロと言えるような人にやってもらう必要があるだろう。
普通の市販の教材に比べて値は張るかもしれないが、それでも毎週、中国語教室に通うことに比べれば安いものだと思う。
まとめ
ここに書いたことは、本当に個人的なことなので、実際に中国語を勉強されている方にとって参考になるものになったかはわからない。
でも、これを読んで、あ、語学ってもっと楽しく学べそう、と気づいてくださったり、外国語の勉強って面白そう、〜語始めようかな、と思ってくださったり、そんな方がもしいれば、本当に嬉しいです。
最後まで読んでいたただき、ありがとうございました。それでは今日はこの辺で失礼します。
おしまい。