今日は、「中国留学前の準備」について書きたいと思います(語学留学)。
といっても、キャリーバッグ云々とかではなくて、主に中国語の準備についてです。中国語に限らず、英語やその他の外国語でも同じですが、はっきり言って、留学すれば勝手に語学力が飛躍的に向上するということはないです。
語学力(ここでは主に会話力)を向上させるには、「座学による単語暗記や文法の勉強+実践」が必要ですが、留学はその内の「実践」の機会が得やすくなるだけで、座学(努力)の部分が抜け落ちれば、結局、留学は失敗に終わります。留学も授業で座学しますが、その中身を習得するには復習という個人的努力が必要ですね。
比喩的に言うと、それまでは週一で遠くのバッティングセンターに通っていたけれど、ある時から家に自分専用のバッティングセンターができた、という状況が留学ですね。近くに自分専用のバッティングセンターができたところで、自分で汗水垂らしてバッティングの練習をしなければ、バッティング力は伸びません。
そして大事な点は、
留学は実践の機会が得やすくなるだけ
というところ。
これが留学の特別な価値の一つです。
なので極論を言うと、語学留学をして座学をするのはもったいない。これは上に書いたことと矛盾しているわけではなく、要するに座学の部分は留学前にできるだけ済ませておくのが良い、ということ。そうすれば、現地で単語暗記や文法の勉強に時間を奪われることなく、実践に多くの時間を当てることができます。座学の努力は日本にいても出来るので、わざわざ現地でそれをやるのは旅先でスマホゲームするようなもん・・・・
というような考えが留学前の僕にはあった。
そんなわけで、僕は留学前に座学しまくりました。
当時の中国語力はほぼゼロ。ニーハオレベル。留学を決めてから、出国までの時間は8ヶ月ほどはあったかと。その間に猛勉強しました。
まずは基礎単語っしょ、ということで単語帳を購入。中国語教材のことはよくわからなかったので、英語のシリーズでも名高い、キクタンを選びました。初中級編と中級編の2冊を購入。入門編と初級編も売ってますが、そういうのに掲載された単語は、文法書やその他の教材でわんさかとショッカーのように登場し、いやでも勝手に覚えるので、あえて買いませんでした。もったいないもん。
1日10個、とかそういう生ぬるい覚え方ではなく、1日100個200個覚えました。もちろん、それで完全に覚えられるわけではないですが、少なくとも覚える努力をしたということです。後で何度も復習を繰り返しました。1日100個でも200個でも300個でも、覚えられるだけ覚えます。基礎単語の習得に1年も2年もかけているようでは、中国語をマスターする前に自分がミイラ化します。短期集中で、気合と根性で、ちゃっちゃっと覚える。カンフーの勢いで、アチャぁああああああ、ってな感じです。
文法はこれ。
Amazonで評判が良かったので、迷わずこれにしました。(僕が使ったのはこれの旧版)
著者は中国語教育界では有名な方のようです。
文法はけっこう適当です。というか文法って一から丁寧にやろうとすると、つまらなくて挫折してしまいがち。なので、気になるページをいきなり開いてつまみ読みしていきます。は?って思ったところは、自分の想像力を使い、「ま、こういうことだろう」という風に適当に補いました。気が向いた時にだけ文法書を開き、ふむふむと読み込む。それを続けていれば、自然と必要な文法力は付いていく。
そんな風な感じで続けていくと、「うーむ、このあたりの文法がイマイチよくわからない」という疑問が頻発してきます。そこで買ったのが以下。
1冊目の文法書では網羅しきれない、中国語の微妙な部分が学べます。開くと、一見地味で、面白くなさそうな印象を受けますが、「なるほど!」と膝を打つような発見の多い良書でした。でした、というか今でもお世話になっています。もちろんこっちもつまみ読み方式で勉強です。
一方で、2冊のキクタン単語帳を終えようとしていた・・・
次に買ったのが以下の3冊。
- 作者: 西井和弥,川田直樹,藤井昌子
- 出版社/メーカー: アスク出版
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 29回
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「髪が伸びる」、「ピアノを弾く」、「先生に質問する」、「人に好かれる」、「内股とがに股」みたいな、フレーズ単位で中国語表現を覚えていくことができる単語帳のような会話表現集、会話表現集のような単語帳です。語学留学するなら、評論表現より、日常表現が重要になるので、そういうものを学べるものを探した結果、たどり着いたのがこの3冊です。いかにも勉強という感じがしなくて、やっていて楽しい教材。3冊いっぺんに買うのは痛かったですけど、現地で座学に時間をとられて現地交流の時間が奪われる機会費用に比べたら、安いもんでしょ、と自分に言い聞かせました。
気合と根性で上の3冊を終わらせる。
全部完璧に覚える必要はありません。よく使いそうな表現が習得できて、中国語に慣れてきたなー、くらいの収穫があれば上出来です。
次に本格的な会話集を購入。
総ページ数600以上、収録例文数約数千・・・。僕は正直言って、初級会話集によくあるような、分量の少ない、うすいテキストがあまり好きではありません。やるならとことんやりたいので、こういうがっつりしたのが好きです。このシリーズも好きで、実は韓国語バージョンも持っています。
「髪をとかした?」、「もう食べ飽きた」、「どこで会おうか?」などなど、留学先で使えそうな例文がたっぷり載っています。実際、現地でもかなり重宝した例文ばかりです。まわりに誰もいない時に、自分の部屋で、大声で例文を繰り返し読み上げ、身体にしみ込ませる勉強法が良いと思います。
「辞典」とありますが、短パンのポケットに入るくらいコンパクトです。
留学前準備、とどめの一冊が、これ。
僕が買ったのはこれの旧バージョンですが、コンセプトは同じようなもんです。日常生活で使う単語が網羅的に掲載されています。「マグロ」、「ショートヘア」、「郵便局」、「救急車」、「歩道」、「ハンガー」、「肛門」などなど、とにかくありとあらゆる日常単語が掲載された、ものすごい単語帳。
さすがに気合と根性では覚えられませんでした。
でも、留学をするということはつまり、現地で生活をするということですが、こういう単語群はめちゃくちゃ使います。とにかく当たり前のように必要となる場面に日々遭遇します。なので、こういった生活単語は、留学前に覚えられるだけ覚えるのが、絶対に良いです。「ごめん、つまようじとって」って言いたい時に、「つまようじ」の中国語を知らなかったりすると、めちゃくちゃイライラするというか、もどかしいですから。逆に知ってたらさらっと言って、通じて、ニマーっとできますからね。
はい。
こんな感じで約8ヶ月、中国語を猛勉強しました。ただ、ただ、中国語だけを猛勉強しました。暗唱、音読、妄想会話、youtube動画で聞き取り・・・
こうした留学前の努力のおかげで、現地での面接とペーパー試験によるはじめのクラス分けでいきなり中上級のクラスに入ることができました。上級でも良いって言われましたが、何となく怖かったので断りました。でも、出国前には一応ある程度は、読み書き、聞き取り、会話に自信があったので、いきなり中国に行って(もちろんビザとかの手続きはしました)、ホテルに泊まり、その間に自分で不動産屋を回って賃貸借契約をし、留学生活の拠点となる自分の部屋を確保しました。事前に勉強をしていなければ、学校の寮で生活をすることになり、寮嫌いの自分にとっては不満のあるものになっていたと思います。
留学前にどれだけ座学の努力を行ったかで、留学後の中国語会話力に圧倒的な差がでます。これから留学されるみなさん、留学前座学、がんばってください。