英会話力は、血肉化された「本当の意味での基礎単語」と「例文」で確実に伸びる。

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☆英語での会話が苦手なのは、能力ではなく勉強のやり方が問題

英語は読めるけど会話は無理、という人はけっこういると思います。というか、英語学習者の圧倒的多数がそういう感じではないかと。僕も学生時代はそんな感じで、英語の文章はわりと読めるようになったのに、会話はからきしダメという状況。それで、これは勉強不足のせいだ、と思ってとにかく多くの文章を読み、英語ベースの動画を観て、耳を慣らす努力をしたのですが、やっぱり会話はできません。なんかコミュ症みたいですが。

で、途中から勉強法を変えたんですね。どう変えたかというと、読解、リスニング主体の勉強から、例文・単語の大量暗記に変えました。そうすると、すぐに効果の違いを感じました。もちろん、すぐになんでも話せるようになったわけではありませんが、何かを言おうとして何も出てこない、ということがなくなった。とりあえず何か間を埋めるくらいのことはできる。そして、例文・単語暗記を続ければ続けるほど、口にできる英語も増え、表現が豊かになっていく。そう実感しました。

☆学校式の英語学習法の欠点

それまでの英語学習法(つまり学校で行われている学習法)は、英会話を意識したものになっていなかった。読解力を養成するのに適した勉強法になっていた。だから、「establish 確立する」だとか「hypothesis 仮定・前提」みたいな、どちらかと言えば評論文でよく見かけるような単語ばかりを覚えていた。でも実際、会話で使うような単語は、もっと日常的なものです。例えば、「saury サンマ」や「nail cripper 爪切り」といったもの。

でも学校ではそういう日常生活に深く根ざした単語は、教えてもらえない。

だからまず、そういう本当の意味での基礎単語をたくさん覚えたんです。

☆例文暗記の効果

そして、大量の例文暗記。丸暗記は軽視されがちですが、語学学習は質より量というのは確信をもって言えます。もちろん、質はどうでもいいとまでは言いませんが、質は学習初期段階で文法を学ぶ際に重要なくらいです。文法は、きっちり、理屈として理解しなければならない。でもその後はとにかく大量の暗記が必須になります。「骨髄」、「シャチ」、「きのこ」、「歯垢」、「歯石」、「中耳炎」・・・こういったものは、母国語においては基礎中の基礎の単語であり、それは外国語であっても同様。できる限り多く覚えなければならない。人間、何人であろうと、日常的に話す内容は変わりませんからね。

では、単語はわかるとして、なぜ「例文」、つまり「文」で覚えなければならないのでしょうか。それは、英語を身体で覚えることができるからです。会話においてはテンポ、スピードが大事。相手が何かを言うたびに、こちらが頭の中で英文を文法的に正しく組み立てている暇はありません。さっ、と返答しなければならない。そして、さっ、と返答するためには、英語を身体で覚えている必要があります。例文暗記は、英語を、さっ、と取り出せるくらい「血肉化」するのに最も効率的です。


I walk my dog every day. 私は、毎日犬の散歩に行きます


のような、短めの、そして会話で使えそうな、英文をとにかくたくさん暗記する。こういう英文は、文章としても読む機会はよくあるかもしれませんが、意識して記憶にとどめる努力をしておかないと、いざ会話の時にパッと出てくることはありません。大学受験の勉強で大量の英文を読んで、いろんな表現をいつのまにか覚えて、評論的な会話ができるようになるかというと、そんなことはないですよね。だからとにかく、何度も口に出して、会話に使うことを想定して、覚えておく努力をする。これにつきます。


会話のための語学学習は、バッティング練習のような、身体を使った反復練習が大事です。