クソ面白い中国ドラマ『射雕英雄伝』。個人的に華流が始まったかもしれない。

『射雕英雄伝 レジェンド・オブ・ヒーロー』というドラマを観ている。これは面白い、と思った。いたいけな少年時代に出会っていたら、口半開きで一日中観ているかもしれない。

時代モノなのだが、しぶい顔した武将が互いに唾を飛ばし合ってばかりのタイプではない。歴史ドラマというカテゴリーには到底収まらないエンターテイメントドラマ。 

この面白さを一言で言い表すのは難しい。というのも、アクション、友情、恋愛、コメディ、サスペンスなど、あらゆる要素が含まれているから。

謎のめっちゃ強い涼しい顔をした武術家が現れて複数の仲間で倒そうとするもみんなボコボコにされる、一体何者だとみんなが驚くのもつかの間、突如その武術家の師匠が現れて、鬼のように強かった彼が師匠にひれ伏す、彼でさえあれだけ強いのにその師匠となるとどれだけ・・・とみんなが驚愕している中、そこにさらにヤバそうな敵が現れてその武術家と師匠が二人がかりで・・・みたいなドラゴンボール的な、中二病的な演出。こんな演出あったか覚えてないが、まあそんな感じの演出。

純朴な主人公の少年郭靖(かくせい)が、母をすでに亡くした少女黄蓉(こうよう)と出会う(黄蓉の武術めっちゃ強い)。互いを好きになるも、彼の厳格な師匠(盲目)も彼女の同じく厳格な父もその関係に反対し、二人を近づけまいとする。それでも二人は何とか一緒にいようとする。が、ある日黄蓉は、郭靖にはすでに決められた結婚相手がいることを知り・・・という切ない恋愛劇。

確かにベタである。本当に、ベタ中のベタな演出が多いのだが、それが面白いのである。あまりにもベタな演出すぎて、逆にコミカルな印象を受ける、とそんな具合。ドラマの原作者(これはもともと有名な小説)は、ベタだと知りつつあえてベタに突っ込んでいってニヤニヤしているのではないか、という思いさえする。

また、個性的な登場人物の多いこと多いこと。とにかく食いしん坊だけどすごい武術家のじいさん、大きな蛇を育ててるちょっとキモいおっさん、 『バットマン』のキャットウーマンのような女性、とにかく女たらしで女あさりばっかりしているホストみたいにクールできざな若い男・・・こうした個性的なキャラクターたちのやり取りはかなり笑える。松本人志の昔のシュールなコントに似てなくもない。

実は、先に書いたように、このドラマには原作小説があって、その作者は金庸(きんよう)という方。2018年に94歳で亡くなられたが、中国語圏ではカルト的な人気を誇る小説家。まず金庸という作家を知って、気になってこのドラマを観たが、これは人気になるはずだわ、とすぐに納得した。

とにかく面白い、今まで知らなかったのが惜しいくらいのエンターテイメントドラマ。おすすめ。