『図解 気象学入門』と『イラスト図解 よくわかる気象学』を使って気象予報士試験対策をしています。
今日は、温帯低気圧の発達について学習しました。ここに自分なりの理解をまとめておきます。
温帯低気圧とは、主に中緯度の温帯で発生する、低気圧のことです。
日本の位置する中緯度は、低緯度の暖かい空気と高緯度の冷たい空気が境を接する場所です。
こうした地理的条件が、温帯低気圧の発達に深く関わっています。
より具体的にいうと、日本付近に寒気の下降と暖気の上昇があることによって温帯低気圧は発達していくことができるのです。
以下は、温帯低気圧を図にしたものです。
(『図解 気象学入門』P184より)
寒気の下降したところに寒冷前線(線に三角の印がいくつか付いたもの)があり、暖気の上昇したところには温暖前線(線にお椀型の印が付いたもの)があります。
この記事を理解するのに前線の知識は必ずしも必要ではないですが、前線については、以下の過去の記事で解説しています。
・前線とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
・温暖前線とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
・寒冷前線とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記
先の図で大事なのは、寒気の下降と暖気の上昇があるということです。
何かが高い位置にある場合、それは位置エネルギーを蓄えているということができます。
位置エネルギーとは、物体が高いところにあるときに持つエネルギーのことです。
例えば木に実っているリンゴは、高い位置にあるので位置エネルギーを有しています。
そのリンゴが木から落ちるとき、その位置エネルギーが運動エネルギーに変換されてリンゴという物体は運動をします。
この位置エネルギーは、物体が重いほど、そして物体の位置が高いほど大きくなります。
上空にある寒気は木に実ったリンゴのようなものです。
その寒気が下降するとき位置エネルギーは運動エネルギーに変換され、位置エネルギーは減少していきます。
一方、地上にある暖気は上昇することで寒気とは逆に、位置エネルギーは増加していきます。
そしてここがポイントなのですが、寒気は暖気に比べて密度が大きく重いので、その位置エネルギーの減少割合は、暖気の位置エネルギーの上昇割合より大きくなります。
つまり全体として位置エネルギーはマイナスです。
この位置エネルギーのマイナス分が運動エネルギーに変換され、それが温帯低気圧を発達させるエネルギーとなるのです。
密度が違うという寒気と暖気の性質の差が、温帯低気圧の発達につながっているのですね。