引き続き、『実践 日本人の英語』を読み進めます。
今回読んだのはP107~120で、onlyについて解説されています。
その中で、「この計算には,一つの論理配列だけで十分である」(P109)という日本語の英語への訳し方について説明している箇所があります。
不適切な訳として、
Only one logic array will be sufficient for this computation.
(同ページ)
が挙げられています。
~単語~
logic array 論理配列
sufficient for ~にとって十分
computation 計算
☆☆☆
どこがいけないかというと、これだと「この計算に十分となる論理配列は,一つしかない」(同ページ)という意味になってしまうそうです。
より日本語の原文の意味に合った英語にするなら、
A single logic array alone will be sufficient for this computation.
(P110)
となるようです。
ポイントはonlyを使うかaloneを使うかですが、その点について詳しい解説が書かれていないので、ちょっと考えてしまいました。
なぜonlyなら「しかない」になり、aloneなら「だけで(十分)」になるのでしょうか?
自分は次のように理解しました。
onlyは「唯一無二性」を強調し、aloneは単に「単独であること」を意味するのだろう、と。
私たちが唯一無二の意味で「~しかない」というとき、本当に言いたいことは「しかない」というよりかは、「他にはない」ということです。
その含みを表すのが、唯一無二性を強調するonlyです。
一方、aloneは、そういう含みは弱く、単に客観的に「単独で」を意味します。
それは「他にはないぜ」ということを言いたいのではなく、単に事実を客観的に述べるニュアンスの「だけで」です。
実際、辞書を開いてみると、aloneについては、客観的な語であるという記述があり、onlyについては、否定的な意味合いがあると記載されていました。
(2)客観的な語で通例寂しいという含みはない)
(『アンカーコズミカ英和辞典 』P59 aloneの項目より)
onlyは否定的意味合いがあるので,強調して文頭に置かれるときには語順が転倒する:Only in Japan can we see this kind of naked festival.(日本でしかこういう裸祭は見られない).
(同書P1306 onlyの項目より)
唯一無二であることを言いたい場合はonly、単独であることを言いたい場合はaloneを使うように注意すれば、最初に紹介した例のような間違いを避けることができるのではないかと思います。