天ぷらは英語でtempura、実はこれ不可算名詞!可算と不可算の見分け方のポイントを紹介。

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マーク・ピーターセン『続 日本人の英語』の「七人の侍―可算名詞と不可算名詞」のパートを読了。

前半は外来語となった日本語の紹介で、後半は名詞の可算と不可算の使い分けについて解説されている。

tempuraは数えられない

数の意識が比較的おおらかな日本語に対して、英語の方はかなり厳しい。だから、英語化した日本語も可算名詞と不可算名詞に分けられることになる。

本書では、その可算名詞グループと不可算名詞グループが紹介されている。それによれば、kimono, geisha,haikuなどは可算名詞。一方、harakiri, judo,karateなどは不可算名詞である。(P26)

また、tempura, sukiyaki, yakitoriも数えられない名詞に分類されている。

意外に思ったのは、天ぷら(tempura)が不可算だということだ。本書によると、数えられるsamuraiは、one samurai, two samurai...と数えるが、数えられないtempuraは、one piece of tempura, two pieces of tempura...となるという。(P27)

(・・・)tempuraというのは,料理の一種を「一般的に」表す言葉であり,これといった「形」が最初から決まっているわけではないので,数えられるほどの「単位性」がない.従って,tempuraを「数える」のなら,ちゃんとした形をもつでき上がったものを一個ずつ,’one piece, two pieces, ......’と数えるしかないのである。

(マーク・ピーターセン『続 日本人の英語』(岩波新書)P27(・・・)は当ブログの省略)

このように、一見可算名詞に思われるものも、実は不可算名詞であったりするから、英語の可算不可算の問題は日本人にとって厄介である。

けれど、いくつかのポイントをおさえておけば、可算と不可算の使い分けを間違う確率はいくらか減らせるだろう。

抽象名詞は不可算名詞扱いであることが多い

まず、love(愛)やpeace(平和)など、形のない抽象的な名詞は、不可算名詞として無冠詞の単数の形で使われることが多い。

ただ、marriage(結婚生活)といった抽象的な名詞でも、「形容詞+抽象名詞」というかたちになると、具体性が出てくるので、可算名詞扱いとなることもある。

a happy marriage 幸せな結婚生活

やっぱり名詞の可算不可算は厄介だ、と思われるところである。

が、形容詞付きでも不可算名詞として扱われる抽象名詞である、純不可算名詞と呼ばれるものがある。この純不可算名詞は覚えておくとよいと思う。

話す言葉の90%、書く言葉の80%をカバーするといわれるGSLという語彙リストがあるが、その中の純不可算名詞を覚えておくだけなら数も知れている。

純不可算名詞には、次のようなものがある。

advice(助言)

information(情報)

fun(楽しみ)

news(知らせ)

damage(損害)

素材、材料としての名詞は数えられない

可算名詞と不可算名詞の使い分けのポイントをもう1つ挙げよう。

それは、可算名詞として使われる名詞であっても、素材、材料としてみる場合は不可算名詞扱いになるというものだ。

例えば、「れんが」を意味するbrick。これは、「れんがを積む」ならlay bricksであるし、「れんがを投げる」ならthrow bricksとなり、可算名詞として扱われる。

しかし、brickを材料としてみる場合は、不可算名詞となる。

The house is built of brick.

その家はれんが造りだ。

可算不可算の使い分けができるかは、英語にどれだけ触れているか、という慣れによるところが大きい。しかし、以上のような受験英語的な知識で、使い分けの間違いを減らすこともできる。

今回読んだ「七人の侍―可算名詞と不可算名詞」では、可算不可算の問題について、「意識による使い分け」という題でも解説されている。興味のある方は『続 日本人の英語』でお楽しみください。