中国の歴史ドラマ『宮廷の諍い女』で登場する宮女への残酷な体罰「一丈紅」とは?

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今日头条というアプリの艺述史で、昔の中国の刑罰「一丈紅」について解説している動画を視聴。

中国には歴史上、数々の残酷な刑罰があった。ぱっと思い浮かぶのは、例えば、生きた人間の肉を少しずつ切り落としていく凌遅刑(りょうちけい)である。動画で紹介されているのは、それよりはまだマイルドな刑罰だ。その名を一丈紅という。

皇后など位の高い者が宮女を管理するために課す刑で、『宮廷の諍い女』という中国の大ヒット歴史ドラマで登場する。

どんな刑かというと、罪を犯した宮女のズボンを脱がし、木の板で腰より下の部分を打つというもの。打つ回数は決まっておらず、下半身がズタズタになり、血だらけになるまで打つという。遠くから見ると、鮮やかな紅が見えるので、一丈紅と呼ばれる。

肉体的にも苦しい一丈紅だが、当時の宮女にとっては精神的にもつらいものだったという。当時は今以上に、名誉を重んじる時代である。そんな時代に女性が公開の場で下半身を晒されるというのは大変な恥辱である。

また、刑による下半身の損傷から子供を産む能力を失う者も多い。解説者は、母親になる権利を奪われるのは、精神的にもつらかっただろうという。だから一丈紅の刑を言い渡された宮女は気が動転したり、あるいは刑を避けて自殺に走ったかもしれない、と。

→なるほど、そんな刑があったのか、と思われたかもしれない。私も思った。ところが、動画では最後に、一丈紅という刑が実在したかどうかは定かではないという風な語りが始まる。できればこういうことは、先に言ってほしいと思う。

酷な刑罰といえば、古代日本には盟神探湯(くかたち)というものがあった。罪の有無と軽重を判別するものなので厳密には刑罰とはいえないけれど、当事者にとってみれば刑罰と違いない。

それはどういうものかというと、熱湯の中にある小石などを素手で取らせて、やけどやただれの有無や程度によって、その人の正邪を判断するというものだ。盟神探湯については『日本書紀』に記載されているが、室町時代には湯起請(ゆぎしょう)として法制化されている。

湯起請については、『マンガ 日本の歴史11-室町幕府の衰退と応仁の乱』(中公文庫)でその様子が描かれている。熱湯に手を入れるというのに無罪になることもあったというから不思議である。

 

参考:今日头条 艺术史 后宫刑罚”一丈红”,到底有多残忍毒辣?打死都算是解脱了