商の紂王が発明した古代中国で最も優しい拷問刑”滴水刑”の仕組みと効果

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今日头条というアプリの艺述史というチャンネルで、中国の拷問刑について解説した動画を視聴。

中国では、歴史上、生きた人間の肉を少しずつ切り落としていく凌遅刑(りょうちけい)のような酷刑が行われてきた。残酷無情な刑であるが、動画では、中国の優しい拷問刑を紹介している。

といっても、一見優しく思われるだけで、実際はやられるとかなり大変だそうである。それは、人間の頭に水滴をたらす刑で、滴水刑(中国語)と呼ばれる。

水滴くらい毎日頭にたらしとるわ、と思われるかもしれない。しかし、滴水刑の方は、受刑者を苦しめるために、もう少し工夫がこらされている。

百聞は一見に如かずということで、まずは図で見るのがわかりやすいと思う。

f:id:yaseteru:20220226142534p:plain(今日头条【艺述史 古代"最温柔"的酷刑,手法温柔不见血,却少有人能坚持住】00:46)

別にフローリングごっこしているわけではなく、これが滴水刑といわれるものだ。

画像内の解説文を以下に翻訳してみよう。

商の紂王(ちゅうおう)による発明。罪人を座席に固定し、その頭は動かせないようにする。手足は動かせるが、頭頂には触れることはできない。頭の真上には絶えず水滴がしたたる木の桶が設置され、その水は毎日1回交換される。罪人には、虫が身体をはうように感じられ、最後には絶命する。

これを読んでも大したことはなさそうである。

しかし、想像してみてよ、と解説者はいう。真冬に冷たい水を絶えずたらされたり、あるいはたらされるものが水ではなく熱いお湯であったら耐えられないだろう、と。また刑の執行官がひと工夫をこらすこともあるかもしれない。受刑者の傷口に水をたらし、一旦傷をいくらか治癒させたところで再び水をたらし、と。こうした点がこの刑の怖いところであるそうだ。

精神に対するダメージも大きい。

寒々とした暗い牢獄で身体を拘束され、一日中水滴をたらされるのである。うとうとしたかと思うと、目が覚め、またうとうとしたかと思うと、目が覚める。緊張した環境の中で、こうしたことが長く続けば、精神は崩壊してしまうのだという。

どうだろう、滴水刑は優しい刑といえるだろうか。正直、個人的には、この話を聞いても、それほど怖い刑だとは思われない。鏡に向かって「お前は誰だ」と言い続けると発狂するという都市伝説があるが、それと同じ匂いがする。

刑といえば、『史記』の著者である司馬遷(しばせん)は、政治的なヘマを犯してしまい、宮刑というものに処されている。

宮刑というのは、男子であれば、その性器を没収される、つまり去勢される刑である。司馬遷は、父の遺言に従って『史記』を完成させるため、その刑を受け入れたのだという。そういう意味で『史記』は、司馬遷の性器の犠牲の上に誕生した神聖な歴史書であるともいえる。

司馬遷に対する宮刑の過程は、横山光輝の漫画『史記(1)』(小学館)に詳しいので、興味のある方はどうぞ。

 

参考:「今日头条【艺述史 古代"最温柔"的酷刑,手法温柔不见血,却少有人能坚持住】」