clean outとclean offのoutとoffには意味があった!使い分けがわかりやすく解説された『日本人の英語』

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『日本人の英語』、パート20のうちの9を読了しました。

9の内容は、前置詞のoutとoffの使い分けについてです。

前置詞のoutとoffは、記事タイトルのclean outとclean offのように、動詞とセットになっているのをよく見かけると思います。

動詞とセットになった前置詞は、気にはなっているものの、ニュアンスの違いを作る程度のものとして、わりと軽視しがちです。

ですが、パート9の内容を読んで、ニュアンスというには大きすぎる違いを生むものだと認識しました。

まず、普通の文法書や辞書にも書いてあることですが、outとoffの基本の意味を確認しましょう。

outの意味

outは、「外へ」という意味です。

offの意味

offは、「(~から)離れて、はずれて」という意味です。

offは盲点

outは経験的に何となく意味がわかりますが、offは日本語の「スイッチをオフする」の「オフ」のイメージが強いので、盲点です。もちろん、スイッチも物理的な仕組みとして何かが離れたりはずれたりしているのかもしれませんが、現在そのイメージを持つ人は少ないと思います。だから、基本の意味が「離れて、はずれて」であることに注意します。

outとoffで生まれる大きな意味の差

outの「外へ」とoffの「離れて、はずれて」の意味は、例えば次の文で表されます。

Clean out your desk!(机のをかたづけてきれいにしなさい.)

Clean off your desk!(机のをかたづけてきれいにしなさい.)

(マーク・ピーターセン『日本人の英語』(岩波新書)P73)

上の例文では、机の中にあるものを外へ出して片づけるので、outです。一方、下の例文では、机の上にあるものをどけて、あたかもそれらをはずすかのように片づけるので、offです。

同様の例として本書では、「お皿の汚れをすすぐ」という意味のrinse off the dishesや、「口をすすぐ」という意味のrinse out your mouthといった表現が紹介されています。お皿の汚れは、はがすイメージでoffですが、口をゆすぐ場合は、外へ吐き出すのでoutです。

抽象的になってもoutとoffの基本イメージは残る

面白いのは、以上のような物理的なものごとを表すときだけでなく、それが抽象的になっても基本イメージは保たれている点です。

本書では、out of workとoff of workの例が挙げられています。

out of workは、be out of workのかたちで、「失業中」という意味です。

He is out of work now.

彼は今、失業中だ。

一方、off of workは、be off of workのかたちで、「休み」という意味です。

He is off of work today.

彼は今日は休みだ。

「失業中」が、(職務などから)すっかり外へ吐き出された状態なら、「休み」は一時的にはずれた状態です。

こういう例は、辞書を開くといくつも見つけられます。

その他の例

例えば他には、「季節はずれの、閑散とした」という意味のan off seasonや、「時代遅れの、すたれた」という意味のout of dateがあります。

四季はめぐってくるものであり、季節はずれのものは、一時的に適した季節からはずれた状態にあるにすぎないので、off。一方、時代遅れのものは、適した時代の外へすっかり出てしまった状態なのでoutです。

パート9では、outとoffに続き、turn overとturn aroundの前置詞、overとaroundの解説に入っていきます。ポイントは「回転軸」ですが、続きは『日本人の英語』でお楽しみください。