三国志、呉の陸遜の生涯に学ぶ大器晩成タイプに必要な能力

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今日头条(中国)というアプリの艺术史というチャンネルで、三国志、呉の陸遜(りくそん)について解説した動画を見ました。

 

記事タイトルの「大器晩成タイプに必要な能力」の結論を先に言うと、それは耐える能力です。

陸遜は、三国志の中で、劉備や曹操、諸葛亮といった大物たちの陰でかすみがちです。けれど、その生涯から何かを学び取ることはできます。また励ましを得られることもあるかもしれません。

動画によれば、陸遜の生家での暮らし向きは、悪くなかったようです。しかし、彼が10歳のときに父がこの世を去り、家計は傾きます。そこで彼は、祖父の陸康(りくこう)を頼ります。が、折悪しく、そのようなときに陸康が孫策に攻められるのです。

呉が孫策からその弟の孫権の時代になると、陸遜は、孫氏に一族を殺された恨みはあるものの、彼の下で働きます。与えられた地位は、しがない県令でした。

彼は赴任地で山賊討伐を行いますが、人に、彼は民生を脅かしていると孫権へ訴えられます。そこで孫権は陸遜を呼び出しますが、陸遜は弁解もせず、よく訴えたと言うのです。これは民(たみ)のことを思ってのことで、感銘を受けた孫権は彼を重用することを決めます。

陸遜は21歳で孫権の下で働き始め、35歳でようやく日の目を見ました。

動画では、彼のこうした生涯を一字で表すと何になるだろうか、と問いかけます。解説者の答えは「忍」です。

かつての越の勾践(こうせん)の臥薪嘗胆(がしんしょうたん)や、秦末の韓信の股くぐりの故事にも見られるように、将来大人物となる人は、尋常ではない忍耐力を有しています。

だから、今、進退窮まって不遇にある人も、悲観的にならず、また捨てばちにならず、少し耐えてみましょう、ひょっとすると、日の目を見るまであと少しかもしれません、と動画は締めくくられています。

耐えるといえば、小説家の夏目漱石も30歳を過ぎるまで、自分の進むべき道がわからず、鬱々とした日々を過ごしていたようです。

それが、韓信が大将軍になったごとく、のちに文豪へと大変身するのですから、人生どうなるかわかりません。

私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当がつかない。私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦(すく)んでしまったのです。そうしてどこからか一筋の日光が射して来ないかしらんという希望よりも、こちらから探照灯を用いてたった一条(ひとすじ)で好いから先まで明らかに見たいという気がしました。ところが不幸にしてどちらの方角を眺めてもぼんやりしているのです。ぼうっとしているのです。あたかも嚢(ふくろ)の中に詰められて出る事のできない人のような気持がするのです。私は私の手にただ一本の錐(きり)さえあればどこか一カ所突き破って見せるのだがと、焦燥(あせ)り抜いたのですが、あいにくその錐は人から与えられる事もなく、また自分で発見する訳にも行かず、ただ腹の底ではこの先自分はどうなるだろうと思って、人知れず陰欝(いんうつ)な日を送ったのであります。  

(『私の個人主義』夏目漱石)

一生に一度は読みたい三国志本

日本では、三国志というと横山光輝の漫画『三国志』や吉川英治の小説『三国志』、あるいは三国志関連のゲームを思い浮かべる人がほとんどです。

しかし、これらの作品群の元にあるのは中国の四大名著(あるいは四大奇書)の一つ『三国志演義』です。

古典で長大な作品なので、読み通すのは大変ですが、この作品を読めば、本場の中国においても、真に三国志を読んだと胸を張って言うことができますね。

もっといえば、『正史 三国志』というオフィシャルな中国の歴史書がありますが、ここまで手を伸ばせば、もはや三国志オタクと言えるでしょう。

 

参考:今日头条「艺述史【大智大福之人,就靠1个字立命,三国就有人做到了极致】」