空気中での水滴の成長とエアロゾル(ちりやすす)の密接な関係【気象予報士試験対策】

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『イラスト図解 よくわかる気象学』(中島俊夫著)を使って気象予報士試験対策をしています。

今回は、水滴の成長とエアロゾルの関係について学びました。

空気中での水滴の成長とエアロゾルの密接な関係

雲ができるためには、空気中で水蒸気が凝結をして、その水滴が成長していく必要があります。

この水滴の成長に大きな役割を果たすのが、エアロゾルです。エアロゾルとは、空気中を浮遊する微粒子(ちりやすす)の総称のことで、詳しくは以下の記事で解説しました。

エアロゾルの大きさと陸上と海上における数の覚え方【気象予報士試験対策】 - 根性による3ヶ国語学習者の日記

夏の暑い日にコップに冷たい飲み物を入れると、コップの表面がびしゃびしゃになります。あれは、コップの周りの空気が冷やされて、空気中の水蒸気がコップの表面に凝結したものです。

エアロゾルは、空気中でこのコップのような働きをします。

空気中の水蒸気がエアロゾルに凝結し、水滴が生じます。エアロゾルが水滴の核となるので、そうしたエアロゾルは凝結核と呼ばれます。

エアロゾルへの凝結なしに、水蒸気と水蒸気がぶつかって水滴が生じることもあります。しかし、そうした水滴は普通、成長することができずに蒸発してしまいます。

成長できない理由は、その水滴の表面張力にあります。

水滴には、球形になって自らの表面積を最小にしようとする表面張力という働きがあります。この表面張力が、新たに水蒸気が水滴に入り込むのを阻止します。

そして、水滴が小さいほど、この阻止する力が強く、水蒸気が入り込むのに大きなエネルギーが必要となります。

つまり、小さい水滴ほど排他的なのです。

こうした理由により、空気中で水蒸気と水蒸気がぶつかってできた水滴は、成長することができず、蒸発してしまいます。 

では、エアロゾルに水蒸気が凝結してできた水滴はなぜ成長できるのでしょうか?中心にちりやすすを持つ汚い奴なのになぜ成長できるのでしょう?

それは、中心にちりやすす、すなわちエアロゾルがあることによって、水滴のサイズが大きいからです。

先に書いたように、小さな水滴ほど表面張力による妨害が強く、水蒸気が水滴に入り込むの必要なエネルギーが大きくなります。

これは、言い換えれば、水滴が大きいほど水蒸気が水滴に入り込むのに必要なエネルギーが小さいということです。

エアロゾルを核とした水滴はサイズが大きく、したがって水蒸気が入り込むのに必要なエネルギーも比較的小さくて済むのです。

そのため、水滴に水蒸気がどんどん入り込み、成長していくことができるのです。

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