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今日は、乾燥空気と湿潤空気の重さの違いについて学習しました。
イメージと違い、乾いた空気よりも湿った空気の方が軽い
イメージ的には、湿った空気(湿潤空気)よりも乾いた空気(乾燥空気)の方が軽そうですが、実際はその逆です。
実は、湿潤空気の方が軽いです。
そのことを理解するには、アボガドロの法則を知る必要があります。
アボガドロの法則とは?
アボガドロの法則とは、一定の温度、一定の気圧、一定の体積のもとでは、そこに含まれる分子の数は一定、というものです。
具体的には、0℃、1気圧、22.4Lに含まれる分子の数は、6×10の23乗個です。
~乗個と出てくると一見ややこしいですが、映画館のイメージで考えると簡単です。
一定の温度、一定の気圧、一定の体積の部屋があって、その部屋には決まった数の座席があり、その座席には分子が座ります。
つまり、0℃、1気圧、22.4Lの劇場(超小さいですが、分子のための映画館だと思ってください)には6×10の23乗個の座席があり、そこに分子が座るイメージです。
映画館のイメージで理解する乾燥空気より湿潤空気の方が軽い理由
乾燥空気より湿潤空気の方が軽い理由は、上記のアボガドロの法則が深く関係しています。
乾燥空気は、ほぼ100%が窒素と酸素で占められています。
一定の温度、一定の気圧、一定の体積の映画館のイメージでは、座席は窒素分子と酸素分子でほぼ満席です(アボガドロの法則より、座席数は一定)。
さてそこに水蒸気が入ってくるとどうなるでしょうか?
座席数は決まっているので、水蒸気が入ってきた分だけ、窒素や酸素には出て行ってもらわなければなりません。
そしてここがポイントなのですが、水蒸気は窒素や酸素よりも軽いのです。
化学の世界には分子量という化学の世界の重さみたいなものがあり、窒素の分子量は28、酸素の分子量は32、水蒸気の分子量は18になります。
つまり、映画館に入ってきた水蒸気は、すでに座っている窒素や酸素よりも痩せていて軽いイメージです。
その水蒸気が、窒素と酸素をいくらか追い出して座るわけですから、劇場内の全体の分子量は当然軽くなります。
乾燥空気と湿潤空気も同じで、ほぼ窒素と酸素で占められていた乾燥空気に、軽い水蒸気が入ってくると、その分窒素や酸素は排除され、全体として軽くなります。
以上が、乾燥空気より湿潤空気の方が軽い理由になります。
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