『イラスト図解 よくわかる気象学』で気象予報士試験の準備中。
今日は温位について学習しました。
温位とは?
温位とは、ある高さにある空気を1000hPaまで乾燥断熱変化させたときの絶対温度(K)のことです。
1000hPaは地上の気圧(標準気圧)のことです。なので温位とは、簡単にいえば、「その空気をもし地上に下ろしたら」の絶対温度のことです。
乾燥断熱変化と絶対温度については過去の記事を参考にしてください。
・乾燥断熱減率と湿潤断熱減率の違いを超わかりやすく解説【気象予報士試験対策】
・日本一美味しい絶対温度(ケルビン)と摂氏の関係の覚え方【気象予報士試験対策】
温位は「20歳のときの写真」?
前回の記事で、異なる高さにある空気の温度はそのまま比較できず、その高さをそろえる必要があると書きました。
90歳のお爺ちゃんと20歳のお兄さんのハンサム度合を比較するのは不公平です。比較するなら、20歳のお兄さんと20歳のときのお爺ちゃんの写真です。
この場合の「20歳のときの写真」が温位にあたります。
温位は、空気の高さの補正後(地上の高さにそろえる)の温度なので、たとえば高度1kmの温位と高度2kmの温位はそのまま比較できます。
これは、30歳と60歳の人のそれぞれ「20歳のときの写真」を比較するようなものです。だからフェアに比較できます。
高さ1kmにある27℃の空気の温位は?
実際に、高さ1kmにある27℃の空気の温位を出して感覚をつかみます。
温位とは、ある高さにある空気を1000hPaまで乾燥断熱変化させたときの絶対温度(K)のことです。
1000hPaは地上気圧のことなので、今高さ1kmにある空気を乾燥断熱変化で地上に下ろします。
空気を下す場合、乾燥断熱変化では100mにつき1℃上昇します。
なので、地上に下ろしたときの温度は27℃+10℃で、37℃です。
そして、温位は絶対温度(K)のことなので、この37℃を絶対温度に変換します。
摂氏と絶対温度の関係は、
K=℃+273
なので、37℃に273を足します。
すると、310Kということがわかりました。
これが温位です。
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