大気の絶対安定とは?超わかりやすく簡単に解説【気象予報士試験対策】

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イラスト図解 よくわかる気象学』で気象予報士試験の準備中。

今日は、大気の絶対安定について学習しました。

お爺ちゃんとお兄さんをそのまま比べるのはフェアか?

昔々、90歳のお爺ちゃんと20歳のお兄さんがいました。みんなは90歳のお爺ちゃんがブスで20歳のお兄ちゃんがハンサムだと言いました・・・

これは不公平ですよね?

というのが今日のポイントです。

空気の温度の比較は高度をそろえるべし

前回の記事で、暖かく軽い空気があり、その上に冷たく重い空気がある状態が大気が不安定な状態と説明しました。

しかし単純に、地上で計った空気の温度が、上空で計った空気の温度より高いというだけで、その大気が不安定であるとはなりません。

その空気は「同じ高度」という条件の下で比べなければなりません。

90歳のお爺ちゃんと20歳のお兄さんのハンサム度合を単純に比較できないのと同じです。両者が90歳、あるいは20歳のとき、という条件で比べるべきです。

一見不安定、実は安定の大気

仮に、地上で計った空気の温度が13℃で、高度1kmで計った空気の温度が10℃だったとします。

地上より上空の空気の方が温度が低く、一見「大気が不安定」です。

しかし、「空気の温度は同じ高度という条件で」というルールに従い、地上の空気を高度1kmの場所まで引き上げた場合の温度で比べてみると、大気が安定であるとわかります。

地上の空気を以前の記事で説明した乾燥断熱変化で高度1kmまで引き上げてみます。

乾燥断熱変化では高度が100m上昇するごとに温度が1℃低下するので、地上で13℃だったその空気は高度1kmでは3℃になります。

同じ高度という条件の下では、地上の空気の温度は上空のものより低かったのです。

なので、大気は安定しているといえます。

90歳のお爺ちゃんの方がブスかと思われたが、20歳のときの写真で比べるとお爺ちゃんの方がハンサムでした、というパターンです。

大気が絶対安定とは?

同様に今度は、乾燥断熱変化ではなく、湿潤断熱変化で地上の空気を引き上げてみます。

すると、湿潤断熱変化では高度が約100m上昇するごとに温度が約0.5℃低下するので、地上で13℃だった空気は高度1kmでは8℃になります。

やはり地上の空気の方が温度が低かったわけで、大気は安定しているといえます。

このように乾燥断熱変化でみても湿潤断熱変化でみても大気が安定であることを、絶対安定といいます。 

なお、大気の条件付不安定、絶対不安定については『イラスト図解 よくわかる気象学』を参考にしてください。

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