『イラスト図解 よくわかる気象学』を使って気象予報士試験の準備中。
今日は成層圏で気温が上がる理由について学習しました。
成層圏で気温が上がる理由
以前の記事で書いたように、成層圏はオゾンが多く存在する領域でした。成層圏で気温が上昇する理由は、太陽から降り注ぐ紫外線によってこのオゾンの発生、消滅が繰り返されるからです。オゾンの発生、消滅については『イラスト図解 よくわかる気象学』を参考にしてください。
オゾンの密集するオゾン層で気温が極大化しない不思議
ところが実際には、オゾンの密集するオゾン層(高度25km付近)ではなく、成層圏の天井、すなはち成層圏界面(高度50km付近)で気温が極大化します。気温が上昇する理由がオゾンの発生、消滅であるにも関わらず、オゾンが特に多いオゾン層において気温が極大化しないのはなぜでしょうか?
理由は2つです。
理由1:紫外線がオゾン層より上のオゾンによって吸収されるから
紫外線によるオゾンの発生、消滅が気温上昇の原因ですが、その紫外線はオゾン層(オゾン密集地帯)よりも上にあるオゾンによってある程度吸収されてしまいます。その分オゾン層に存在するオゾンの取り分が少なくなります。よって、オゾン層での気温上昇が抑制されるわけです。
流しそうめんのイメージで覚える
この事実は、流しそうめんのイメージで覚えます。そうめんは、紫外線です。流れてくるそうめんをお箸でキャッチして食べる人が、オゾンです。下の方でそうめんをキャッチする人(オゾン層のオゾン)の取り分は、上の方にいる人(オゾン層より上のオゾン)に取られた分だけ減ってしまいます。下の人のカロリー摂取量は、上の人よりも少なくなります。というイメージで、オゾン層での気温上昇は抑制されます。
理由2:密度の小さい空気の温度は上がりやすいから
もう1つの理由は、空気は密度が小さいと温度が上がりやすいからです。くだいて言えば、「すかすかの空気は上がりやすい」です。空気は上空ほど薄くなりますが、これは上空ほど温度が上昇しやすいということです。なので、オゾン層よりさらに上の領域では、温度が上昇しやすくなっているわけですね。
森のイメージで覚える
密度の小さい空気の温度は上がりやすい、この事実は「森」のイメージで覚えます。森の中でも、木の少ない場所の空気は太陽の光がよく差し込み、暖かくなります。逆に木の多い場所は太陽の光が差し込みにくく、ひんやりします。「木が少ない」は空気の密度が小さいイメージ、「木が多い」は空気の密度が大きいイメージです。
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