華流ドラマ『蘭陵王』第7話の感想と豆知識~太子の顔に泥を塗って傷口叩かれる高長恭~

スポンサーリンク

『蘭陵王』の第7話を観ました。

高緯(こうい)、祖珽(そてい)、皇帝としての宇文邕(うぶんよう)など、器の小さそうな人物がぞろぞろ出てきて、話がこじれていきますね。

「かたちだけ」のベッドイン?

白山村での帯(おび)の受け渡し、女媧廟(じょかびょう)での婚礼、水中でのキス・・・雪舞と高長恭の関係は「かたちだけ」であるものの、恋愛関係のごとく進展していきます。次が気になるねと以前の記事で書きましたが、やはりきましたベッドイン。とはいえ、看病兼添い寝で、清純に描かれます。

太子の顔に泥を塗って傷口叩かれる高長恭

父皇帝の命を受け太子高緯(こうい)が与えに来た俸禄を高長恭が辞退したのはいけませんね。いくら疲弊した民のためとはいえ、高緯のメンツを立てて少しばかりは受け取るべきでした。高緯と高長恭の度量の違いがわかる一幕ですが、高長恭の傷口を叩いた高緯の気持ちも理解できます。

中国の人が好む説得法

劉邦(りゅうほう)と項羽(こうう)はかつて天下を争いました。力に頼りすぎた項羽は敗れ、人望のあった劉邦が勝利して漢王朝を創始します。高長恭らを差し置いて出陣しようとする高緯に対し、雪舞はこの2人を引き合いに出して説得を試みました。説得において歴史的事実や古典の言葉を引用するのは、今も昔も中国の人が好むやり方です。

料理は苦手だった理系女子の雪舞

火薬を使いこなしたり、汚水を浄化したりと、現代的にいえば明らかに理系女子の雪舞。料理は苦手でした。彼女の作った鶏のスープを一口飲んだ時の高長恭の表情は、第7話の中でも見どころの一つです。

どこまでも倫理観の強い雪舞 

ベッドで眠る高長恭に、雪舞は語りかけます。

おばあさまが言ってた 受けた恩は倍にして返すものだと

今までまことにありがとう こたびはわたしが高殿の力になるからね

このドラマでは、こうした強い倫理観に基づく雪舞や高長恭の行為に感動させれることが多いです。

受けた恩は何倍にして返すべき?

少し気になったのが、「おばあさま」の言葉。

上記の「おばあさまが言ってた 受けた恩は倍にして返すものだと」の原文は「奶奶曾说过 受人点滴当涌泉相报」です。直訳すると「おばあさまが言ってた わずかなことにも湧き出る泉で報いるべきだと」となります。

吹き替えには色々と制約があるので誤訳と指摘したい訳ではないですが、「倍返し」と「湧き出る泉」は結構違います。一体、恩にはどれくらいで報いるべきなのでしょうか?

もっと知りたい人のための本

蘭陵王を扱った小説には、田中芳樹の『蘭陵王』があります。

蘭陵王の生きた時代は中国の南北朝時代。時代背景を知りたいなら、『魏晋南北朝 融合する文明』や『魏晋南北朝』あたりがいいかもしれません。