華流ドラマ『蘭陵王』第4話の感想と豆知識~雪舞が硫黄や硝石で作る「火樹銀花」って何?~

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第4話で描かれるのは、雪舞と高長恭が新郎新婦を装って敵の領内から仲間を救い出すというハラハラドキドキのミッションです。雪舞が、今まで一緒にいた高長恭がまさに蘭陵王だと知ったシーンは胸に迫ります。

心を打つのは人の道を描いているから?

第一話から今回まで、一見、雪舞と高長恭との恋の予感が描かれています。でも実は、人として踏み行うべき道が多く表現されていることに気づきました。今回、2人が新郎新婦に扮したのは、仲間の斛律須達を救うため。第2話の白山村での成人式で高長恭が雪舞の帯を受け取ったのも、彼女をいじめから救うためでした。人の道が描かれているからこそ心を打つのだな、と。

中国の伝統的な婚礼衣装は赤が基本

新郎新婦に扮して敵の領内に向かうことになった高長恭と雪舞。冒頭で、真っ赤な衣装を着た高長恭の前にこれまた真っ赤なドレスをまとった雪舞が登場します。中国人にとって赤は、とてもめでたい色です。だから、お正月は赤一色ですし、伝統的な婚礼においては、真っ赤なドレスが基本です。

女媧(じょか)って何?

雪舞と高長恭が婚儀を行った女媧廟(じょかびょう)の女媧というのは、中国の神話上の女神のことです。首から上は人面で、首から下は蛇の姿をした女神。泥をこねて人間を作り、それが人類の始まりとされます。ただ、劇中の廟に安置された像は、思いっきりお釈迦さまです。

結婚後に高長恭が女遊びをする可能性

仮に本当に雪舞と高長恭が結婚した場合、彼が女遊びに走るということはあり得るでしょうか?当時、高長恭のような皇族が複数の女性と関係を持つというのは珍しくないですが、彼の場合は、劇中での人柄通り、誠実な夫になってくれる可能性が高いです。「軍功を称えて武成帝から20人の美女を賜ったとき、1人だけ選んで辞退した」という史書の高長恭に関する記述がWikipediaで紹介されています。

雪舞が硫黄や硝石で作る「火樹銀花」って何?

「火樹銀花」の読み方は、「かじゅぎんか」です。「火樹」は灯りで燃えているように見える樹、「銀花」は銀白色の花のことです。灯りで町が輝く様子などを形容する言葉です。雪舞が言う「火樹銀花」とは一種の火薬のことでしょうね。火薬は9世紀頃までに中国で発明されました。

もっと知りたい人のための本

蘭陵王を扱った小説には、田中芳樹の『蘭陵王』があります。

蘭陵王の生きた時代は中国の南北朝時代。時代背景を知りたいなら、『魏晋南北朝 融合する文明』や『魏晋南北朝』あたりがいいかもしれません。