里中満智子の『マンガ旧約聖書1ー創世記』の感想〜旧約聖書の世界の斬新な発想力に敬服!〜

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里中満智子の『マンガ旧約聖書1ー創世記』を読了。

神話(といっていいのでしょうか)は、やはり面白いです。日常的な常識から離れた斬新な発想が展開されるので、新鮮な空気を吸ったかのような晴れ晴れとした気持ちにしてくれます。

本書は、旧約聖書のお話をマンガ化したシリーズの一冊目。全部で三冊あります。

天地創造、アダムとエバの原罪、ノアの方舟、バベルの塔などなど、どこかで耳にしたことはあるけれど、詳しい内容は知らないっていうタイプのお話が読めます。

今は日本でも、キリスト教の知識があればもっと楽しめるのにな、というタイプの娯楽コンテンツが溢れているので、いつか聖書を読んでみたいと思っていました。

結論から言うと、買ってよかったです。

一時間もあればさらっと読めてしまう一冊ですが、それだけですごく教養が身に付いた気分にさせてくれます。それで数百円というのだからコスパ良し。

アブラハム、イサク、ヤコブ、イシュマエルなど、それまでは「ああ聖書にはそういう人物が出てくるんだな」で、さらっと流していた記号に命が吹き込まれたかのようです。

はじめに書いたように、物語として斬新で、読み物として非常に面白いです。例えば、弟の豆のスープと「長男の権利」を「いいよ!」と快く交換する腹減った兄。振り返ってはいけないと言われたのに振り返ってしまって塩の塊になってしまう女性。子孫を残したいけれど他に男がいないので父を酒で酔わせて子作りした二人の娘・・・

行き詰った今の日本社会を良くするにはこういう斬新な発想力が必要だと思うので、ちょっと見習いたいところです。

例えば、豆のスープと年金の受給権が交換できるようになるといいなあ。