『源氏物語』読書マラソン4。
大塚ひかり訳『源氏物語』のP23〜24まで読み進めました。前回の続きとして紹介記事を書いていきます。
ではどうぞ。
桐壺更衣(きりつぼこうい)の皇子(みこ)が三つになり、七五三の起源とされる袴着(はかまぎ)の儀式が行われます。
ここでも恋で盲目となったミカドの暴走は止まらず、事実上の皇位継承予定の第一皇子に劣らぬほど、宝物をつぎ込み、盛大に儀式を行わせます。
このミカドの盛大な愛の表現が、例によって世間の反感を買い、結果的に桐壺更衣の急所へのクリティカルヒットとなったのか、その年の夏から彼女は体調を崩します。
一方、袴着の儀式の主役である桐壺更衣の皇子、すなわち光源氏に関する北朝鮮式の無欠描写は、相変わらずうさんくさく、見もの。
それにつけても世間の非難ばかりが集まりますが、この皇子がご成長になるにつけ、ご容姿といい気立てといい、あり得ないほど素晴らしく見えるので、心底、憎み通すことはできません。物の情理を知る方は、
「こんな人も世には出現なさるものだったのだ」と、あまりのことに目を見張っています。
体調を崩した桐壺更衣は、実家に下がろうとするものの、今となっては彼女が体調を崩すのもいつものことなので、ミカドは許しません。
「やはりもう少し様子を見なさい」
と言って、桐壺更衣へ執着します。
また「可哀想に」と言って「桐壺更衣の病気平癒を願うパーティー」みたいなのを盛大に行わせないだけまだましかもしれませんが。
とはいえ、桐壺更衣の病状は日ごとに悪化していくので、彼女の母の泣きつきもあって、最終的にミカドは実家へ下がることを許します。
読み進めているのは、古典エッセイストの大塚ひかりさんが訳された『源氏物語』です。いくつもある源氏物語の日本語訳の中でも特に現代的な訳で、かなり読みやすいのでおすすめ。