- 行政書士試験の難易度
- 行政書士試験に独学で合格するためには?
- 1. 行政書士試験に独学で合格するための行政法テキスト
- 2. 行政書士試験に独学で合格するための民法テキストその1
- 3. 行政書士試験に独学で合格するための民法テキストその2
- 4. 行政書士試験に独学で合格するための憲法テキスト
- 5. 行政書士試験に独学で合格するための総合テキスト
- 6. 行政書士試験に独学で合格するための総合問題集
- 7. 行政書士試験に独学で合格するための記述対策テキスト
- 8. 行政書士試験に独学で合格するための過去問
- 9. 行政書士試験に独学で合格するための直前模試
- 10. 行政書士試験に独学で合格するための一般知識対策テキスト
- 行政書士試験の合格率
今日は行政書士試験の勉強に使ったテキストや問題集の紹介です。
行政書士試験の難易度
独学で何とか合格しましたが(法律知識ほぼゼロから一年ちょい)、終わってみての感想は、「けっこう大変」。
司法試験や公認会計士試験に比べると確かに負担は少ないですが、それでも日本にある無数の試験の中では相当難しい部類に入ると思います。
難易度としては、大学受験で言えば、いわゆるMARCH(マーチ)や関関同立の上位学部、早慶の下位学部くらいのイメージだと思ってください。
東大に比べたら負担は少ないけれど、それでも平均的な学力の人が受かるのは相当の労力が必要。そんなイメージですね。
独学に使ったのは、本記事で紹介する10冊。
合格するだけなら、今のところこれ以上の知識を求める必要はないと思います。
行政書士試験に独学で合格するためには?
手を広げすぎるのは、逆に合格を遠ざけます。次の原則に徹しましょう。
1. 必要なテキスト、問題集を選定する。
2. 選定したら、それ以外のものにむやみに手を広げない。
3. 選定したテキスト、問題集を使って、繰り返し、繰り返し、骨までしゃぶるように勉強する。
→合格。
では一冊目の紹介に入ります。
1. 行政書士試験に独学で合格するための行政法テキスト
記事執筆現在(2018年3月)、行政書士試験において、行政法の配点率は、約40%。
苦手科目にすると、合格は相当苦しくなります。
本書は公務員試験用として作られていますが、行政書士試験でも十分に通用します。
むしろ書店にあまたあるその他の行政書士試験対策書より、質量において、ずっと優れている印象。
そういうわけで筆者は、行政書士試験の勉強において、このいわゆる「スー過去シリーズ」を中心に据え、勉強していきました。
それで合格できたのだから、上記の考えは間違いはなかったのだと確信しています。
スー過去シリーズの使い方
ここで紹介するスー過去本の構成は、まず単元ごとに、簡潔で無駄のない解説があり、その後に問題演習が続く、というもの。
筆者は、だいたい当該シリーズの行政法、民法、憲法それぞれを三週しました。
真面目に覚えようと努めていれば、三週すれば相当身に付きますし、約一年で合格しようと思えば、それ以上をこなす時間もないと思います。
短期合格したい方は、三週でマスターする、という気概で取り組んでいきましょう。
2. 行政書士試験に独学で合格するための民法テキストその1
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法1一総則・物権・担保物権
- 作者: 資格試験研究会
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2017/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スー過去シリーズの民法編。
民法の配点率は、およそ25%。
行政法の40%からがくんと下がりますが、それは行政法の配点率が突出して高いからそうなるだけで、民法は、合格に最も重要な科目の一つです。
また、スー過去シリーズで1冊に収まる行政法や憲法と違い、民法は2分冊となっています。
民法は、婚姻や賃貸借契約など、私たちの生活に身近な事柄を扱っているため、行政法よりはとっつきやすいですが、それでも相当な時間を民法に割くことになります。
繰り返し解説を読み、その後に続く演習問題をコツコツ繰り返し解いていきましょう。
3. 行政書士試験に独学で合格するための民法テキストその2
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法2一債権総論・各論・家族法
- 作者: 資格試験研究会
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2017/10/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
スー過去シリーズの民法の2冊目。
婚姻、相続、賃貸借など、生活に身近な分野が多く、知っていると「役に立つ」ものがいくつか含まれます。
なお、スー過去シリーズに掲載された知識は、行政法や民法の記述問題でも利用します。
ただインプットするだけでなく、必要に応じてアウトプットできるまで、血肉化しましょう。
4. 行政書士試験に独学で合格するための憲法テキスト
近頃話題になることの多い、憲法です。
配点率はおよそ10%。
行政書士試験は、行政法、民法、憲法の主要三科目の配点が216点、試験自体は300点満点ですから、主要三科目の配点率は約70%です。
行政書士試験では全体のうち約60%得点できれば合格できますから、主要三科目がいかに重要かがわかります。(ただし一般知識などの足切りには注意)
憲法は、判例の把握が特に大事ですが、本書で紹介される判例は多く、合格には必要十分。
幸福追求権、表現の自由、信教の自由などなど、イメージがつかみ易いので、個人差はありますが、さほど負担とならない科目の一つかと思います。
5. 行政書士試験に独学で合格するための総合テキスト
行政書士試験は、行政法、民法、憲法の主要三科目以外に、基礎法学、商法、会社法、情報通信、個人情報保護に関する知識も必要となります。
これらは、主要三科目に比べると配点が低いので、重要度は格段に落ちます。
ただしまったくの無勉というのも危険なので、基本的なことは一応把握しておきましょう。
その際に役立つのが本書。
主要三科目の部分については、スー過去シリーズとだいぶ重なるので、基礎法学、商法、会社法、情報通信および個人情報保護を含む一般知識の解説を利用します。
なぜ本書を利用するかというと、分量がちょうど良いからですね。商法、会社法などは専門テキストで勉強するには試験における重要度が低すぎ、まったく勉強しないというのは、これまた危険。
「時間をかけすぎないで、適度に基本を抑える」、そうした目的に合致した手段として活用できるのがこの一冊です。
6. 行政書士試験に独学で合格するための総合問題集
本書は、行政書士試験の主要三科目から一般知識に至るまで、全体的な演習を行えるもの。過去問と伊藤塾の講師によるオリジナル問題とが含まれます。
使い方としては、行政法、民法、憲法はスー過去シリーズで十分な演習ができるので、この三科目の部分は一周程度にして、基礎法学や商法、会社法、一般知識の部分を二周ほどしましょう。
言ってみれば、主要三科目以外の科目の演習用として使います。
7. 行政書士試験に独学で合格するための記述対策テキスト
記述問題の配点は300満点中、60点。
およそ試験全体の20%を占め、問題数は少ないものの、非常に重要な科目です。
選択問題は試験後の解答速報でどれくらい自分が正解できたのか明確に把握できます。
しかし、記述問題がどれくらい得点できたかは、自分では判断しにくく、合格発表まで悶々とさせられた思い出があります。
記述の出来次第で合否が左右されるという状況を実際に体験しているので、そんなハラハラドキドキ体験を避けるためにも、しっかりとした対策を強くおすすめします。
本書はいわば法律ゲーム。見開き2ページの左側に問題、右側に回答と解説。そしてページ毎に著者のちょっとしたコメントやテクニック紹介などが書かれています。
色んな状況設定が問題文で提示されて、それに法律的にどう対処したらいいかということを考えていきます。
ポイントは、考えることを面倒臭がらずに、「楽しむ」ことです。
8. 行政書士試験に独学で合格するための過去問
過去問は必ず目を通しましょう。
同じ問題がボロボロ出題される、ということでもないので、中心に据えてがつがつ勉強する必要もないですが、必ず解いてみる必要はあります。
筆者は、本番さながらに通して解いたのは一年分のみ。それ以外は、つまみ食いのように、気が向いた時に適当な部分を解いていました。
問題演習はあくまでスー過去シリーズを中心に置いていたので、ボロボロになるまで本書を使い倒す、ということはしなかったです。
しかし、避けてはならない一冊ですね。
9. 行政書士試験に独学で合格するための直前模試
直前模試とありますが、直前の直前くらいに挑戦してみると良い本。
本書は、はっきり言って難しいです。
筆者自身、難しいとは知らず試験直前に解き、合格点に届かず、がっくりした記憶があります。(あとで難易度が高めと知って多少慰められましたが)
本番の試験より明らかに難しいですが、見方を変えれば、本書で合格点がとれれば、本番で合格できる可能性は高いです。
本番では普段ほど実力を発揮できるとは限らないので、本書のような難易度の高めの問題で合格できるくらいの実力を目指すと良いですね。
10. 行政書士試験に独学で合格するための一般知識対策テキスト
行政書士試験の一般知識科目は、足切りシステムがあります。
配点は56点で、24点以上得点できていないと、試験全体で合格点に届いていても不合格となります。つまり、合格のためには一定程度は必ず得点しなれければなりません。
情報通信、個人情報保護に関しては先に挙げたテキストで対策するとし、それに加え中学高校レベルの政治経済の知識を身に付けます。
といっても、本書をすみからすみまで丸暗記する必要はないです。
過去問を解いた感じから、出そうな部分を自分で嗅ぎ分け、そのあたりをつまみ食いのように勉強していけばOK。
行政書士試験の合格率
行政書士試験の合格率はおよそ10%。
100人受けると90人落ちる試験です。ですが、地道に努力を積み重ねれば、普通の人でも十分に合格が可能な試験です。
また、他の受験者との競争でもありません。合格できる人数が決められているわけではなく、定められた合格点をとれば、不正など特別な事情がない限り、合格です。
法律知識ゼロからでも、通学通勤しながらでも、毎日一定程度の勉強時間を確保し、継続して努力を続けていけば、合格は見えてくるはずです。
がんばってください。
※本記事に記載された試験情報は2018年3月現在のものです。のちに変更されることもあるので注意してください。