三国志は女性も楽しめる劉備玄徳の恋愛物語

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三国志は、男性向けの物語?

三国志は男の人の読み物、というイメージが強いかもしれません。

劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)の三人の義兄弟の契り(ちぎり)、外交的駆け引き、幾度も繰り返される戦(いくさ)・・・一見女性が共感できそうな要素というのはあまり見当たりません。

登場人物のほとんどが男性で、男女比は、女性マネージャー付きの男子野球部より偏っています。

三国志で活躍する数少ない女性の一人、貂蝉(ちょうせん)でさえ、義理の父の願いで政争の道具のような役割が与えられる始末(美人計)。

要するに、一見すると、男臭い、汗臭い物語なのです。

三国志は、静かで美しい物語

でも実は、三国志は、男女を問わず楽しめる美しい物語です。

確かに、関羽や張飛といった個性豊かな豪傑たちの活躍や軍師、諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)の智略、舌戦などは魅力的ですが、ただそれらのエピソードの連続だけでは、ここまで人々を魅了することはなかったと思います。

実はこの物語の中心には台風の目のような静かで美しいものが常に備わっているのです。

それは何かというと、主人公劉備の漢王朝に向けられた一途な思いです。

劉備の決意

かつて中国大陸に存在した王朝、漢の末期からこの物語は始まります。当時は、政治が乱れ、民衆は苦しみ、各地で盗賊たちが跋扈(ばっこ)している状況。そんな中で、立ち上がったのが主人公の劉備です。

彼は漢の中山靖王、劉勝の末裔(まつえい)、つまり漢室の血を引いています。漢室の血を引いた人間として、漢王朝が崩れていく様を黙って見ている訳にはいかず、彼は漢の復活のために立ち上がるのです。

そんな劉備に共鳴して、彼と義兄弟の契りを結んだのが、豪傑の関羽と張飛でした。

劉備の一途な恋

劉備は物語の中で、いくつもの困難に直面し、普通の人間と同じように、迷ったり、戸惑ったりします。

しかし、漢王朝に対する忠誠という点では、ぶれません。

あたかも一途な恋愛、あるいは敬虔な信仰のように、漢王朝のために、という部分は物語中一貫しているのです。そして劉備のこの一途な姿勢が、三国志という物語に一種の美しさ、神聖さを与えています。

もし、彼のこの一貫した姿勢がなければ、関羽や張飛との義兄弟の契りも頼りのないものになっていたでしょう。

 

三国志をもっと知りたい方は、ドラマや漫画から入るとよいです。筆者のお気に入りは、以下のドラマ。クリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズのように、「原作越え?」と思ってしまうほどよくできた作品。長いですが、震えます。

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